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La Source (Paris Opera Ballet)

昨年11月4日上演された「泉」のアンコール上映を映画館で鑑賞。

La Sourceは1866年パリオペラ座で初演された作品で、台本はシャルル・ニュイッテル
振付アルテュール・サン・レオン、音楽はミンクスとドリーブ。
レパートリーから消えてしまい(他国の劇場で再振付されバランシン版や色々な版があるようですが)
2011年に引退したジャン=ギヨーム・バールが初振付、2011年10月22日に蘇演。
オリジナル版の復元ではなく新しく振付けたもので、2012年ブノワ賞にもノミネートされました。 
マルク=オリヴィエ・デュパンが編曲。衣装はクリスチャン・ラクロワ
スワロフスキーのクリスタルを散りばめた衣装やアクセサリーが綺麗☆

ペルシャに伝わるファンタジー?泉の精の悲恋物語。
狩人ジェミルを愛する泉の精ナイラは、自らの命を犠牲にして
君主カーンの許婚者ヌーレッダに一目惚れしたジェミルの恋を叶えてあげます。

Naila: Ludmila Pagliéro
Djemil: Karl Paquette
Nourreda: Isabelle Ciaravola
Mozdock: Christophe Duquenne
Zael: Mathias Heymann
Dadje: Nolwenn Daniel
Le Khan: Alexis Renaud


オリジナルは全3幕だったのを、端折って全2幕にすっきりまとめたよう。
ナイラ役に抜擢されたティシア・プジョルは、怪我で降板(ポスターの写真は彼女だけど)
セカンドキャストだったリュドミラ・パリエロが、初演と上映日を踊りました。

1幕、コーカサスの山奥?夜明け前、泉のまわりでエルフやニンフ達が戯れてる。
ガルニエ宮で昔使用された太いロープや緞帳を垂れ下げただけの
シンプルな舞台装置で、コスチュームが映えます。
泉の精ナイラお付きの妖精ザエル役のマチアス・エイマンは、コミカルな役柄を演じて
「真夏の夜の夢」パックのような役どころ?2012年ブノワ賞を受賞。
緑の衣装とスワロフスキーでキラキラした髪で、顔まで緑に塗らなくても。。。
軽やかな跳躍や回転がバランシンっぽく、素早い脚捌きが見事でした。
この後、疲労骨折で降板して、NY公演にも来られなかったのが残念。
カリギュラ」のインキタトゥス役も良かったので、彼の踊りを生で見たかったー

ザエルと踊る4人のエルフ(ブルーマン?)は、アリステ・マダン、ファビアン・レヴィヨン
アドリアン・ボデ、Hugo Vigliottiらしいけど、顔が青く塗られているので
誰なのかわからない(笑)細かいステップを踊りこなしていました。

夜が明けると、狩人ジェミル役のカール・パケットが登場。衣装はダサいけどカッコいい☆
コーカサスのキャラバン御一行が、皇帝カーンの宮殿へ向かう途中に休憩。
ジェミルは、隠れる。許婚として差し出されるイザベル・シァラヴォラ演じる
美女ヌレッダも車から下り、断崖に咲く美しい花を兄モズドクに取ってほしいと頼む。
が、キャラバンの誰もその高い崖を登れない。
陰から見ていたジェミルが、美しいヌレッダの望みを叶えるべく花を取って来る。
(どうやって登るとかと思ったら、ワイヤーで吊られてた)
花を渡す時、ジェミルがヌレッダのベールを上げて顔を見ると
兄モズドクは怒り、ジェミルは縛り上げられ瀕死の重傷を負う。

ザエルがロープのブランコ?に乗って、上から見てる という演出が◎
カーンの許婚ヌレッダ役のシァラヴォラは、まさしく美女☆
あでやかな民族衣裳をまとった妖艶な演技。脚が長くて細いこと!
コーカサスの女性の踊りは、柔らかくて繊細なカンジ。
日本人の藤井美帆さんも踊ってました。
コーカサスの女性ダンサーは、着替えてニンフ役も踊ってたので大変そう。

ヌレッダの兄モズドク役を踊ったデュケンヌも、力強くてシャープな踊り。
コーカサスのキャラクターダンスも勇ましく
(衣装が重そうで踊りにくそうだけど)ピシッと揃っていて気持ちがよい。
パリオペは男性群舞の踊りがカッコいいから好きだわ。
帽子がない方が、もっと顔が見えていいのになぁ。

キャラバンが去った後、泉の精ナイラはジェミルが取った花
タリスマン(魔法の花)で、彼の傷を治します。
ジゼル2幕のようなシルフィードのようなニンフ達の群舞は、泉が流れるような踊りで
ロマンティックバレエっぽい。パリエロのナイラは、神聖な雰囲気。
ジェミルとのPDDでは、音楽性とテクニックを見せました。
パケットのヴァリアシオンは、踊りこなすのが難しそうな振付。
エルフ達とジェミルは、キャラバンを追って宮殿へ向かうことに。

2幕 カーンの後宮。1幕とは違った細いロープが下がってるけど鳥籠っぽい?
ハーレムの愛妾オダリスク達の踊りは、ラバヤっぽくてオリエンタルなカンジ。
新たな寵姫となるヌレッダを連れたコーカサス一行が到着。
悲しみや嫉妬を表現する愛妾ダジェ役ダニエルは、なにげに踊りの見せ場が多い。
ピンクのベールも華やかです。

ヌレッダが白い花嫁?衣装で、兄モズドクとコーカサスの男性達から
皇帝カーンに差し出されるリフトが、マノンっぽい。
ヴァリアシオンも魅惑的。

ヌレッダがカーンの妃になるのを阻止しようと異国人(なのか?)に変装した
エルフ達とナイラがジェミルを連れてやって来る。
ヌレッダと恋仲になりたいジェミルのために、ナイラはカーンを魅了して
ヌレッダとの結婚を破談にします。
カーン役Alexis Renaudは、踊りは少なかったけど
PDDではナイラの魅力を十分引き出す安定のサポートで、パリエロがのびのび踊れてた。

カーンがナイラを選び、拒絶されて悲嘆にくれるヌレッダは彼女を追ってきたジェミルを責める。
リフトが多用されたヌレッダとジェミルのPDD、ここの振付が一番好きかも。
モズドクが、妹と一緒にいるジェミルを殺そうとしたその時
奈落からナイラが登場。魔法で時が止まって、ジェミルは助かります。

意識を失ったヌレッダが目を覚まさないので
ナイラの命の象徴である魔法の花で目覚めさせてほしい と頼むジェミル。
それはナイラの死と、泉の枯渇を意味します。
ジェミルとナイラのPDD。ジェミルの恋を実らせるため
自分の命と引換えにタリスマンを使って、ヌレッダを蘇らせるナイラ。
ジェミルとヌレッダの愛が始まるのを見届けた後、息絶えます。
ナイラの死をザエルが嘆き悲しんで、幕。
La Source

人間に恋したり、タリスマンを使わないでおくべきかどうしようか葛藤する
パリエロ演じるナイラは 妖精 と言うよりも、ちょっと人間っぽい雰囲気で
ラストも切ない(涙)
泉が枯れてもヌレッダをとるジェミルのわがままな欲望は
自然を壊す愚かな人間を表現していたのかな。

古典バレエの美しさが堪能できる作品で
高度なテクニックが盛り込まれながらも、音楽性を重視した振付。
ロマンティックバレエっぽい踊りや、キャラクターダンス、エキゾチックな踊りなど
盛り沢山でPDDやバリエーションも美しく、見応えがありました。

NY Timesの記事は、こちら

来シーズンの映画館中継は「ドン・キホーテ」「マーラー交響曲第三番」「ラ・シルフィード」だそうで
いつかNYでも上映されますように。
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テーマ : バレエ - ジャンル : 学問・文化・芸術

La Bayadere (Paris Opera Ballet)

3月22日に上演されたパリオペラ座「ラ・バヤデール」を映画館で鑑賞。
LaBayadere
以前「カリギュラ」を観た時、「泉」と「ラ・バヤデール」も上映してほしい
とブログに書いたら、願いがかなった~

Nikya: Aurelie Dupont
Solor: Josua Hoffalt
Gamzatti: Ludmila Pagliero
Bronze Idol:Florimond Lorieux

ガムザッティ役のリュドミラ・パリエロは、元々キャスティングされてなかったけど
3/20二幕途中で、ガムザッティ役ドロテ・ジルベールが怪我で降板。
Manouを踊ってたマチルド・フルステが、急遽代役で踊ったものの
フルステも怪我で、22日の公演を降板。
別の公演にキャスティングされていたパリエロは、代役にも入ってなかったけど
2年前ガムザッティを踊っていたことで、なんと当日に突然
今夜踊れる?と言われて、急遽出演。おまけにライブ中継!
リハーサルする時間がほとんどなかったとは思えない安定したパフォーマンスを見せて
終演後、エトワールに任命された。すごい人だ!

1幕、インドの寺院。Fakirが聖火の前でウロウロした後、戦士たちが登場。
ソロル役は、3/7「ラ・バヤデール」初日にエトワールに任命されたジョシュア・オファルトで
羽根が生えてるような軽やかなジュテ。衣装は、インドっぽい?
虎は出てこないのね と思ったら、2幕に出てきた。

僧侶や大僧正、苦行僧、巫女たちが聖火の祝祭。
ABT版だと笑えるような(失礼!)衣装&メイクの苦行僧が、ヌレエフ版だと野生的でカッコいい。
舞姫ニキヤ役オーレリーが登場。産休明けだったそうだけど、全く感じさせず。
大僧正がベールをはずすと、あまりの美しさに一目惚れ。
渋めの色合いだけど、煌びやかな衣装でソロの踊り。
大僧正の求愛を拒否する芯の強さが感じられるニキヤ。
聖水を持ったニキヤのソロがあるんですね。しっとりと踊って
ソロルとのPDD。いきなり飛び込みリフト。聖火の前で愛を誓い合うラブラブな二人。
アリスター・マダン演じるFakirは、ずっとそばにいるんですね。細かい演技や踊りも良かった。
それを見て復讐を誓う大僧正はYann Saiz?
詳しいキャスト表がないので、主役以外はよくわからないんですが。。。

場面変わって、ラジャの宮殿。ソロルの全身肖像画が立派だ。
男性コールドの踊りがカッコいいのは、パリオペならでは。
ジャンペの踊りの衣装が斬新で、インド と言うよりも中国っぽい?
踊りながら、はけていきました。
ラジャに呼び出されたソロルは、ガムザッティと結婚するよう命じられる。
ソロルはチェスをすることもなく、すぐに立ち去るんですね。
衣装替えしたニキヤと奴隷(アレクシス・ルノー)のPDD。
リフトを駆使した踊りで、サポートが素晴らしい。
大僧正が、ソロルはニキヤと恋仲だ とラジャに密告。
後ろで立ち聞きしてたソロル。
ガムザッティも聞いていて、ニキヤを呼びつける。
ラジャに、邪魔な女は殺してしまえ と言われてショックを受ける大僧正は
怖さを感じないけど、同情をそそるキャラ?

再び衣装替えしたニキヤとガムザッティの争いシーンは、見応えあり。
二人で取り合うほど、ソロルが魅力的かどうかは?だけど。。。
パリエロは気位の高いお姫様キャラがよく表現されていて、迫力あり。
宝石が重そう(笑) オーレリーは身のこなしが美しく、二人ともマイムがわかりやすい。
パリオペ版は、侍女の衣装も豪華。

2幕、ガムザッティとソロルの婚約を祝う宴。
1幕はマイムが多かったけど、ここから踊りの洪水です。
ラジャ、ガムザッティ、ブロンズアイドルが神輿で担がれて登場。
ソロルは象(インドだから?)に乗って登場。虎も出てきます。
まずは扇の踊り。男性コールドが加わります。
オウムを持った踊りの後、女性ダンサー4人の踊り。

ここで、ブロンズアイドルの踊り。子役ダンサー付き。
テンポは遅めで、エレガント路線?振付はマカロワ版のが好きかも。
水瓶の踊りは、かわいい♪メリハリのある動きが印象的。
お祭りっぽいインドの踊りのリードは、Julien MeyzindiとSabrina Mallem
緑の衣装が派手なパ・ダクシオン。

ソロール&ガムザッティのPDDでは、アダージョで男性2人が加わって
パドトロワ2組と一緒に踊って華やかに。
二人とパドドゥをしなければならないソロル役は、大変そうですが
(しかも怪我人続出で相手役が何人も変わってるし)
一日で合わせたとは思えないサポート。
再び4人の踊りの後、ソロルのヴァリアシオン。丁寧な踊りだけど
5月に観たワシリエフが豪快すぎたせいか、あまりインパクトはなかった。
ガムザッティのヴァリアシオンの後 、女性コールドが加わる。
イタリアンフェッテはないけど、こっちの方が難しそう。
コーダで盛り上がって、リハーサルしてないとは思えない出来!

オレンジの衣装に着替えたニキヤが登場。ヌレエフ版は、衣装がカラフル。
悲しみで踊るオーレリーばかり映って、ジョシュアの演技がよく見えなかった。
音楽にのった花籠の踊り、ABT版にはないけど好き。
ガムザッティの仕掛けた毒蛇に噛まれたニキヤに駆け寄ろうとするソロル。
ラジャにとめられ、ガムザッティに引き戻されます。ヌレエフ版でもソロルは優柔不断だ。
ヌレエフ版は神殿崩壊がないせいか、ニキヤがガムザッティを指差すシーンあり。
背を向けたソロルを見たニキヤは、大僧正からの解毒剤を拒否して絶命(涙)
ソロルがニキヤに駆け寄り抱きしめ、2幕終了。

3幕、後悔するソロルのヴァリアシオン。細かいステップを踊りこなします。
キャンドルダンス(インドの踊りのダンサーたち)の後、アヘンを吸ったソロルの幻覚
影の王国、32人のコールドが絶品です☆背景は、インドの森?
上からのカメラワークで、美しいフォーメーションが見られました。
Three shades(エロイーズ・ブルドン、シャルリーヌ・ギーゼンダンナー、オーレリア・ベレ)が
登場してワルツ。

やっとソロルらしい衣装でソロの踊り。フワリと宙に浮く跳躍。
チュチュに衣装替えしたニキヤとのアダージョ。ここからの踊り&音楽はお気に入り。
神々しいオーレリー、一つ一つのパが美しく音楽とピッタリ合った踊り。
ジョシュアもエレガント。Three shadesのヴァリアシオンも素晴らしかった。
特に第一ヴァリアシオンが好み。神秘的なヴェールのアダージョ
コーダで盛り上がって、フィナーレ とあっと言う間で
オーレリーの存在感と音楽性に引き込まれました。

ヌレエフ版は影の王国で終わってしまうので、余韻はあるけど
マカロワ版の方がストーリーが完結するので、すっきりするカンジ。
衣装とセットは豪華。男性群舞が豊富な構成も◎

公演後のエトワール・ノミネートシーンも上映してくれた♪
パリエロはアルゼンチン出身で、16才でチリのNacional Ballet of Santiago de Chileに入団。
ソリストになった2年後コンクールで受賞して、ABTとの契約が決まっていたそうですが
パリオペのオーディションを受ける。結果ダメだったのでアルゼンチンに帰国して
アメリカ行きのビザを取得しに大使館に行く日
パリオペから、空席が出た と連絡があり入団 という経歴。
オペラ座学校出身でないので苦労もあったと思いますが、今後の活躍が楽しみです。

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Paris Opera Ballet Vol.2

パリ・オペラ座のミックスプログラム、FRENCH MASTERS OF THE 20TH CENTURYを鑑賞。
プジョルやルテステュなど、怪我をしたダンサーがいたので
最初に発表されていたキャストから変更あり。

Suite en Blanc
la Sieste(女性3人のパ・ド・トロワ): Aurelia Bellet, Marie-Solene Boulet, Laura Hecquet
Theme varie(女性1、男性2のパ・ド・トロワ): Sabrina Mallem, Audric Bezard, Vincent Chaillet
Serenade(女性のヴァリアシオン): Amandine Albisson
Pas de cinq(女性1、男性4のパ・ド・サンク): Alice Renavand and Cyril Mitilian, Marc Moreau, Fabien Revillion, Daniel Stokes, Sebastien Bertaud
la Cigarette(女性のヴァリアシオン): Marie-Agnes Gillot
la Mazurka(男性のヴァリアシオン): Mathieu Ganio
l’Adage(パ・ド・ドゥ): Isabelle Ciaravola, Stephane Bullion
la Flute(女性のヴァリアシオン): Dorothee Gilbert


アルフレッド・ミュッセ原作「カサノヴァ回想録」を基にリュシアン・プティパが振付けた
2幕バレエ「ナムーナ」の音楽から抜粋して、1943年セルジュ・リファールが振付。
ストーリーのない抽象バレエで、華やかな作品。映像で観るよりも、迫力アリ。
エドガール・ラロの序曲の後、幕が上がると37人のダンサーがポーズを取っていて
あまりの美しさに、客席から歓声&拍手☆
原曲から10曲を選んでリファールが振付けた踊りが次々と繰り広げられて、見応えあり。
白一色もしくは白&黒の衣装が、黒一色のシンプルな空間に映えます。
もちろんマチューがお目当てでしたが、他の男性ダンサーも生きがよくて好印象。
女性ダンサーで目をひいたのは、アダージョを踊ったイザベル・シアラヴェラ。
ちょっとした手の動きにも表情があり、流れるような優雅な踊り。
カリギュラで見たステファン・ビュリヨン(コリー君にちょっと似てる?)は
サポートが多くて、見せ場が少なかったのが残念。

インターミッションはさんで
L’Arlésienne
Vivette: Isabelle Ciaravola
Frederi: Benjamin Pech


アルフォンス・ドーテの戯曲を基に、1974年ローラン・プティが振付。
婚約者のいる青年が、アルルの闘牛場で見た女性に心を奪われて忘れられず
婚礼の夜に身投げしてしまう というストーリー。
ゴッホの田園風景画を背景に、有名なビゼーの音楽に合わせて舞台が繰り広げられます。

戯曲にはもっとエピソードがあるけど、バレエではシンプルにしてあり
タイトルの「アルルの女」は登場せずに、フレデリとヴィヴェットの二人の視線から
描き出す手法。心象風景を描いた踊りで、シンプル&モダンな振付は
古典とは違った味わい。悲劇だけど、重たさはあまり感じません。
直前のアナウンスによりキャスト変更で、フレデリ役はバンジャマン・ペッシュ。
出ずっぱりなので体力的にも大変な役ですが、アルルの女の幻影に取り付かれて
最後は窓から身を投げる感情の高まりや狂気が大げさすぎず、よかったです。
ヴィヴェット役のイザベルも、ひたむきにフレデリを思う気持ちと
彼を現実に引き戻すことができない悲しみが、よく表現されていました。
群舞の振付がバラエティに富んでいて、組体操やマスゲームのようだったり
「ロンドン橋渡ろ」みたいな動き?があって、ユニークでした。


Boléro
Aurelie Dupont
Christophe Duquenne, Yann Saiz

Paris Opera Ballet8
休憩なしで、ラストは1961年モーリス・ベジャール振付の「ボレロ」
メロディーは、シカゴ公演でボレロ・デビューしたオーレリ・デュポン。
パリオペは42歳定年なので、彼女も2015年引退?

最初見えるのは手だけ、そして照明によって全身が浮かび上がります。
テーブルを取り囲む椅子に腰かけたダンサーたちは、最初は身動きせず
曲が進んでいくと少しずつ動き出し、何人かが立ち上がってテーブルの周囲で踊り
最後には全員がテーブルを取り囲みます。
ラヴェルの音楽のリズムを体現する半裸の男性ダンサーたちがカッコいい!
鍛えられた体が音楽とシンクロして、全身から溢れるパワーとエネルギーが
客席まで伝わり、引き込まれて見入ってしまった。
臨場感を味わいたくてオーケストラ席で観たけど、上の階から眺めるのも面白いかも。
Paris Opera Ballet9
約16分間の演奏が終わると、興奮した客席から拍手が沸き起こってカーテンコール。
Paris Opera Ballet11
NY Timesの記事は、こちら

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Paris Opera Ballet Vol.1

夏の恒例Lincoln Center Festival
Paris Opera Ballet2
今年は、Paris Opera Balletが来てくれました~
Paris Opera Ballet1
北米ツアーは11年振り、NY公演は16年振りだそう。
Paris Opera Ballet3
ジゼル」は1841年ペロー&コラーリ振付、パリオペラ座で初演された本家本元。
1887年マリインスキー劇場でプティパ版が改訂、この版が継承されて世界中で上演される。
1924年パリオペラ座でも復活して、再びレパートリーに。
現在上演されているのは、1991年改訂振付Patrice Bart&Eugene Polykov。

怪我人が出たこともあり、最初に発表されたキャストから変更があり
リュドミラ・パリエロが見られなかったのは残念でしたが
お目当てのマチュー・ガニオは拝めました☆

Giselle: Aurelie Dupont
Albrecht: Mathieu Ganio
Myrtha: Emilie Cozette
Hilarion: Vincent Chaillet
Pas de deux des paysans: Charline Giezendanner、Fabien Revillon


1幕、村人たちが登場して楽しそうに踊って通り過ぎる。
下手側に萱葺き屋根のジゼルの家、上手側にアルブレヒトが剣を隠す小屋。
奥行きがあって、遠くに見えるお城がアルブレヒトの本当の住まい?
淡い色彩で、村の男女の衣装も背景の絵にとけこむような色合い。

ジゼルに思いを寄せるヒラリオンが、花束をジゼルの家の前に置いて立ち去る。
ヒラリオンの衣装がダサいのは、万国共通? 

従者ウィルフリードを連れて、村人ロイスになりすました公爵アルブレヒトが
舞台奥のスロープを下りてくる。マチュー登場で、会場から盛大な拍手。
あまりの美しさに、一挙一動を追ってしまう~
役柄に相応しくエレガントで、ハンサムな貴公子そのもの。
簡素な服装に変装してもキラキラ☆オーラで、気品に溢れてます。
ウィルフリードに「どうだい、村人に見えるだろう?」いやー見えないって。
美しい立ち振るまいと、育ちの良さは隠せないでしょ。
剣をはずしてマントと共にウィルフリードに隠させて、ジゼルの家をノック。

パリオヘは、プレイボーイのアルブレヒト と聞いてたけど
甘くて優しそうな雰囲気。指を天に向けてジゼルへの愛を誓ったり
ベンチ(舞台真ん中に置かれて見やすかった)で花占いの演技もスマート。
身分を隠している罪悪感を持ちつつも、愛らしいジゼルに惹かれている様子。

オレリーのジゼルは村娘にしては気品が漂い、貴族の血が流れてそう?
少女らしさを強調しすぎるような大袈裟な演技ではなくて、自然体。
マチューと並ぶと、お姉さんっぽいけど
心優しい村娘 って感じで、アルブレヒトに向ける視線も柔らかい。
所作のひとつひとつが優雅で、二人のジュッテの軌跡やラインが美しい~
仲睦ましく踊っていたところに、ヒラリオンが割って入り
無理矢理ジゼルに気持ちを押し付けようとする。
ヴァンサン・シャイエ演じるヒラリオンは、カッとなると熱くなる危ないタイプ。
ヒラリオンが短剣を振りかざすと、思わず腰の剣を抜く仕草をしてしまうロイス。
お芝居が細かいです。

ヒラリオンが去った後、村人たちが出てきてジゼルが得意の踊りを披露。
ロイスも一緒になって踊る。コールドの男性も男前が多くて、眼福でした。

ジゼルの母ベルタが家から出てきて、体が弱い娘を心配してウィリの話をする。
このマイムに迫力があり、照明が落ちるのが効果的。
既にウィリたちに呼ばれてるような?ジゼルは、心に深く刻む様子。

ベルタがジゼルを家へ連れて帰り、2人はキスして別れる。
領主の狩りの一行が近づいていることに気づいたアルブレヒトは、急いで身を隠す。
それを見ていたヒラリオン、どうもヤツは怪しい と考えて
小屋に入って、アルブレヒトの剣を見つけます。

領主クーランド公御一行が、スロープを下りてやって来る。
アルブレヒトと貴族たちは、坂を下りて村にやって来るんだけど
身分が上の貴族が、下にいる庶民の世界に来るのを
スロープを使って視覚的に表現しています。
飲物を欲しがる貴族たちを村人が接待。
貴族たちの衣装が、その格好で狩りに?と思うほど豪華。

ふつうジゼルとバチルドの首飾りのやりとりが終わると、貴族たちは解散するけど
この版では、貴族御一行に村人たちが踊りを披露 という演出で
シャルリーヌ・ギゼンダナー&ファビアン・レヴィヨンが、ペザントのパドドゥ。
間にジゼルの友人、女性8人の踊りも入ります。
細かいステップをきっちり踊って見ごたえがあり、音楽的で好印象。
8人の友人達の踊りも、複雑なステップをこなして
明るい雰囲気で、舞台に彩りを添えました。

ジゼルの家って、村の中では裕福で大きいのかな?
クーランド公が休憩しようとジゼルの家の中に入ろうとした時
跪いているジゼルの顔を上げさせじっと見つめて、その後ベルタを見て家に入っていきました。
この演技、何か意味があるのか?と思ったら、ジゼルは貴族の落しだね という設定だそう。
貴族たちは、それぞれ休憩の場を捜して解散。
クーランド公がウィルフリードに角笛を渡して、入口に掛けます。
ヒラリオンがアルブレヒトの剣の紋章と角笛を見比べて、ある確信を得ます。

村人たちがダンスを再開。ジゼルが収穫祭の女王に選ばれる。
いつの間にかアルブレヒトも加わり、バチルドがジゼルに与えた首飾りを見て
まずい!と視線を泳がせる。
収穫祭の楽しい雰囲気の中、1人客席の方を向いたアルブレヒトの不安そうな表情
これから起きる不吉な運命を暗示するよう。
コールドのフォーメーションが面白くて、細かいステップだけど
揃っていて魅入ってしまう。

幸せな2人にヒラリオンが割って入り、貴族の証の剣で二人を隔てます。
ヒラリオンが角笛を鳴らすと、クーランド公一行が現われる。
狂乱のシーンは、よくあるエキセントリックな表現ではなくて
静かなだけに、痛々しさが伝わってくるよう。
茫然自失となったジゼルには、何も見えていないようで
事実を受け入れられず、ショックで壊れてしまったカンジ。
壊れていくジゼルを見て当惑するアルブレヒトは、顔を覆って泣いてしまう。
腕の中で息をひきとったジゼルを、信じられない思いで抱きしめて
ようやく罪の重さと失ったものの大切さに気がついたよう。
ベルタや村人たちに拒絶されて、自分の行いを後悔して走り去ります。

2幕 スモークがたかれ、木が生い茂る夜の森。
照明が暗くて見えにくいけど、背景には廃墟となった教会?
ヒラリオンが、ジゼルのお墓参り。
墓場でサイコロ賭博?をする男達は初めて見た演出だけど、何か意味があるのか?
初演時の名残りなんでしょうか。
暗闇にウィリたちがやって来て、逃げる男たち。

ウィリの女王ミルタとウィリたちが登場。
Paris Opera Ballet5
パフスリーブの衣装が可愛い。

コゼットはちょっと固いけど、舞台を滑るようなパドブレが素晴らしい。
ダイナミックなジャンプで、威厳のある女王の風格が漂う。
様々なフォーメーションを見せて、6人ずつで踊ったり静止するウィリ。
ミルタに向かって両手を伸ばしたり、一斉に拒絶のポーズをとったり
後ろ向きのパ・ド・プレで去るところなど、統制のとれた踊りで
女王ミルタが動かしているよう。
メソッドが統一されて、体型・技術レベルが揃っていてさすがの美しさ。
新しくウィリに加わるジゼルを呼び出します。
演奏ゆったりめなので、スピード感はないけど
丁寧で、音楽にピッタリ合った踊り。

アルブレヒトが百合を持って登場。貴族の衣装とマント姿が似合うマチュー。
花を捧げて墓前に横たわり、後悔して嘆き悲しむ姿も絵になります。
その周りをジゼルが舞っているけど、アルブレヒトは気配を感じても姿は見えないよう。
切なさが伝わります。

ウィリに捕まったヒラリオンが、囲まれた輪から脱け出せず
ミルタの命令で踊らされ、沼に突き落とされて死んでしまいます。
ヴァンサン・シャイエは上手いのに、見せ場が短かいのが残念~
ラストのシェネがすごかった!何回転したんだろ?
苦しそうに踊るヒラリオンを眺める冷酷なミルタが怖かったー

アルブレヒトもウィリに捕まりますが、ジゼルが助けます。
PDDでは、途中でウィリーが二人を離したりする振付なんですね。
オレリーのジゼルは、母性 と言うか温かみが感じられる精霊で
幽玄 と言うよりも、純粋な愛で満ち溢れているよう。
ひんやりしているのではなく、包み込むような優しさを感じました。
音楽と一体化した踊りで、バランスキープが長くゆったりした動きが優美。

アルブレヒトのヴァリアシオン、しなやかな跳躍に、オーっと歓声が。
倒れる姿さえも優雅。
コーダでは、魂の叫びのようなアントルシャ・シス。28回くらい?
床じゃなくてトランポリン?と思うような高さで滞空時間も長く
驚きで客席がどよめいた。爪先が伸びた美しい脚で
最初は低く後半だんだん高くなる跳躍が、ミルタに操られてる感があり
倒れこむ演技も自然。

夜が明け鐘の音が鳴り、ウィリたちは去っていきます。
朝陽が差し込んで、倒れるアルブレヒトを助け起こして
包み込むように抱くオレリーが聖母のよう。
アルブレヒトが近づくと、ジゼルが後ろ向きにパ・ド・ブレで下がり
近づくとまた下がり、と余韻を残すように静かに消えていきました。

ジゼルのお墓前に横たわるアルブレヒト。
ハッと夢から目が覚めたように起き上がります。立ち上がり方も美しい☆
夜ジゼルのお墓参りに来たアルブレヒトが夢を見た、という設定なんでしょうか?
花を拾って、舞台中央へ歩いていくアルブレヒト
この夜起こったことを思い出しているのか
朝の光を求めるように、観客に向かって前に歩き進んで幕。

群舞や貴族がフリーズしたり、演技・マイムも細かくて
コールドの美しさにどっぷり浸りました。
Paris Opera Ballet7
NY Timesの記事は、こちら

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Caligula (Paris Opera Ballet)

先週末のことですが、昨年2/8に中継されたパリ・オペラ座「カリギュラ」のアンコール上映を鑑賞。
パリ・オペラ座も、映画館でのライヴ・ヴューイングに積極的なようですが
NYでの上映は、それほど多くありません。
昨年「天井桟敷の人々」を見逃してしまったので、アンコール上映してくれないかなぁ。
「カリギュラ」も昨年既に上映され、ちょうど日本帰国中で見逃したのですが
たまたまアンコール上映する映画館があり、見られました。
」と「ラ・バヤデール」もアンコール上映してほしい。。。

Caligula: Ste'phane Bullion
Lune: Clairemarie Osta
Mnester: Nicolas Paul
Chaerea: Aure'lien Houette
Incitatus: Mathias Heymann
Caesonia: Eleonora Abbagnato


ローマ帝国時代の暴君Gaius Julius Caesar Germanicusを描いたバレエで
2005年初演、現役エトワールのニコラ・ル・リッシュによる振付。

元老院も関与した陰謀により、29歳の若さで暗殺されたカリギュラは
狂気じみた独裁者で残忍 と言われていますが
芸術を好んだカリギュラの一面を表現したのか
一般的なカリギュラのイメージである残虐性は、それほどほとんど感じられません。
ちなみに、ネロ帝はカリギュラの妹アグリッピナから生まれました。

皇帝になってから暗殺されるまで、わずか4年だったそうで
統治4年間の象徴として、音楽はヴィヴァルディの「四季」
5幕構成(各幕は3シーン)で、1幕は春、2幕は夏 と順に秋、冬と演奏され
最後の5幕だけ4シーンあり、春から冬までのアレグロが繰り返されます。
幕間はなくて、電子音楽とパントマイムでつながれています。

緞帳は下りていなくて、開演前から舞台が見えていて
舞台両側に並んでいる赤い柱が、日本の寺院のようで東洋的。
自身を神格化していたカリギュラを表しているんでしょうか?
正面には、宝塚のような?大階段があり
舞台上方はスクリーンになっていて、プラネタリウムみたいなカンジ。

1幕、オーレリアン・ヒュッテ演じるケレア率いる元老院と
カリギュラの妻カエソニアと宮廷の召使たちの踊りの後
38年皇帝に即位した25歳のカリギュラが、大階段から一歩一歩降りてきて登場。
ローマ時代をベースにしたような衣装は、ちょっと近未来的。
妻役エレオノラ・アバガントは、高貴な雰囲気。
ステファン・ビュリヨン演じる若き皇帝は、ケレアを手ひどく扱い
権力がありながらも、脆さや孤独感も感じます。

突然痙攣して、倒れこんだカリギュラを残したまま暗転。
現代音楽の間奏になり、舞台上方のスクリーンに月面が映されます。
パントマイム役者Mnesterが、3人のフィギュール(像)と登場。
巫女さんのような?白い衣装で、袴っぽい。
演劇や舞踊を好んだカリギュラは、観劇直後に暗殺されたとか?
白い布にくるまれた月オスタが運ばれてきて、舞台上に転がされます。

2幕、夏の第1楽章が始まりカリュギュラと月のパ・ド・ドゥ
唯一ポワントを履いて踊る月は、幻想的。
カリュギュラは、満月に向かって話しかけていた と伝えられていますが
妹ユリア・ドルシッラの象徴のようにも見えるかな?
38年に亡くなった妹の死を悲しんだカリュギュラは
翌年生まれた娘に、ユリア・ドルシッラの名前を与えています。

カリギュラと月が舞台から去り、苦悩するケレアのソロと元老院たち。
ビュリヨンのダイナミックなソロは、カリギュラの怒りや冷酷さを表現。
元老院の一人を殺して、大階段を上り去って行き
再びパントマイム。このパントマイムは、カリギュラの内面を表現してるようですね。
ニコラ・ポールが素晴らしかった。

3幕、カリギュラの権力をかさに妻や召使たちが大響宴、元老たちを嘲笑うよう。
大階段から再びカリギュラが登場して踊り、去っていく。
じっと耐えていたケレアが、元老たちと反乱の準備をする。
オーレリアン・ヒュッテは、見た目も踊りも存在感あり。

4幕、階段から降りてきてカリギュラを魅了する月。
第2楽章では、カリギュラの愛馬インキタトゥスが登場。
マチアス・エイマンが轡を銜えてマネージュ、カリギュラが手綱を操る演出が良かった。
軽やかな跳躍が本当の馬のようで、詩的な場面でお気に入り。
カリギュラは愛する馬を元老院にしようとして、人間のように扱い
そのために宮殿まで建てたとか?
第3楽章で、どうしても月を手に入れられないカリギュラはついに殺してしまう。
布に包まれて運ばれていく月。カリギュラの死の訪れを予言してるよう。

5幕は、春~冬それぞれのアレグロと電子音が混ざったカオスな世界で
暗殺された日の描写。妻や召使たちとパントマイムを見ていたカリギュラが
舞台に立ち、Mnesterと踊りだす。
皇帝への不満を募らせた元老たちが立ち上がり、カリギュラを襲う。
ラストの死を前にしたソロは圧巻で、カリギュラが倒れて幕。

幕間なしで約1時間半。
クラシックとコンテンポラリーが融合した踊りで、群舞の動きも面白く
残酷で衝動的な面と繊細な面をもったカリギュラを上手く演じたビュリヨン。
内面を深く描いた作品なので、何度か観るともっといろいろわかるかも。
オペラ座管弦楽団の演奏も素晴らしく、聴き入りました。
ちょっと世界史を思い出したり、アルベール・カミュの戯曲も読んでみたくなった。

☆7/11-22に念願のパリ・オペラ座NY公演が、David H. Koch Theaterで上演されます。

テーマ : バレエ - ジャンル : 学問・文化・芸術

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