Pacific Northwest Ballet(Roméo et Juliette)

Pacific Northwest BalletRoméo et Julietteを観に、New York City Centerへ。
Pacific Northwest Ballet6
モンテカルロ・バレエ芸術監督のジャン=クリストフ・マイヨー振付
1996年初演のコンテンポラリー版
原作では14歳のジュリエットが、マイヨー版では少し年上に設定されているよう。

Juliet: Kaori Nakamura
Romeo: James Moore
Friar Laurence: William Lin-Yee
Mercutio: Ezra Thomson
Tybalt: Batkhurel Bold
Lady Capulet: Maria Chapman
The Nurse: Rachel Foster
Benvolio: Benjamin Griffiths
Paris: Joshua Grant
Rosaline: Kylee Kitchens


序曲が始まると、映画のようにスクリーンに配役クレジットが表示される。オシャレ☆
幕が上がると、大小4つの白い壁とスロープだけのシンプルな舞台セット。
場面に応じて壁が動いて、位置が変わる作りになっています。

冒頭シーン、ロレンス神父が2人の侍祭を従えて踊る。十字架のようなポーズが印象的。
マイヨー版では、ロレンス神父は象徴的な役で運命を司る存在。
悲劇の語り手となって、全編通して踊る。

モンタギュー家とキャピュレット家が争うヴェローナの街では、モンタギュー家は白やベージュ
キャピュレット家は黒を基調にしたシンプルな衣装。
剣を使わないので、闘いのシーンは殴ったり蹴ったりする振付。
剣さばきがないので踊りが多く、シャープでスピーディな動きの中に
リフトもあるので男性陣は大変そう。

ロミオの両親やジュリエットの父親は、いない設定。
ジュリエットの母キャピュレット夫人は、未亡人?
愛人ティボルトとイチャつき、終始黒い衣装で踊りまくる。
娘ジュリエットに愛情は抱かず、さっさとパリスと結婚させたい。
キャピュレット夫人役Maria Chapmanは、美しい踊りで色っぽく
パリスまでキャピュレット夫人のツバメに見えてしまった。
(ちなみに、この版のパリスは死なない)
中村かおりさん演じるジュリエットは、可憐と言うよりも大人なジュリエットで芯が強そう。

古典と同じ流れで、舞踏会前の3バカトリオ?の踊りあり。
キャピュレット家の舞踏会。袖が着物風な衣装もあるけど違和感はない。
ジュリエット&パリス、キャピュレット夫人&ティボルト
ロザライン&ロミオの3カップルが踊る。敵対関係の家に生まれながら
ジュリエットとロミオは知らずに出会って、恋に落ちて激しく惹かれ合う。
ロザラインとも妖しそうなティボルト、もう少し色気と危険な雰囲気がほしかったかな。
古典と同じく、マキューシオの見せ場ソロの踊りもちゃんとあった。

ハイライトは、やっぱりバルコニーのPDD。ここの音楽、いつ聴いてもいいわー
チケット代が安かったので録音かと思ってたら、PNB Orchestraによる生演奏。
オーケストラ席2列目だったので、大音量で聴けただけでも満足。
スロープをバルコニーに見立てるセンスが素敵☆
心情が雄弁に語られる踊りで官能的(18禁?)情熱的である程この後の悲劇が切ない。

インターミッションの後、2幕。お祭りで人形劇が上演されるのを街の人たちが見ている。
このシーンの曲は、古典でのマンドリン隊の踊りで
陽気な音楽とは対照的に、これから起きる悲劇が人形劇で表わされていて
人形を動かしているのが、ロレンス神父と従者2人 という演出。

乳母が、ロミオに手紙を届けて
両家の平和を願うロレンス神父は、ロミオとジュリエットを結婚させる。

街では、いつものようにマキューシオとティボルトに絡んで喧嘩が始まり
さっき人形劇で使われた棒で、マキューシオを撲殺するティボルト。
スローモーションで残酷さを浮かび上がらせる演出。
逆上したロミオは、スロープにティボルトを追い詰めて絞殺。
マキューシオの血のりのついた布で、ティボルトの顔を塞いで首を絞める。
二人の遺体がシーツで包まれて、ロレンス神父の従者たちに運ばれていく。

3幕、ジュリエットの寝室でPDD
ティボルトを殺したロミオをジュリエットは平手打ち。この版のジュリエットは強い。
でも、すぐに抱き合って愛を確かめ合う二人。一夜を過ごした後、二人は別れて
威圧的な母に、パリスとの結婚を強要されて嘆くジュリエット
古典ではジュリエットの感情変化を表わす壮大な音楽で、ロレンス神父&従者がダイナミックに踊る。
ロレンス神父に相談するジュエットは、仮死状態になる薬を渡される。
ジュリエットとロレンス神父のPDDがあります。

ベッドの白いシーツが取り払われると、地下墓に早変り。
ジュリエットの葬儀にやって来たロミオは、悲しみで自ら命を絶つ。
服毒死ではなくて、舞台装置に突撃して出血多量死?
ロレンス神父がジュリエットをそっと起こして消えて行く。
目覚めたジュリエットはロミオの死体を見て絶望し、ロミオの体から抜き取った赤いベールを
首に巻きつけて自害。幻想的でありながら、切なく悲しい最期。
ロレンス神父が背を向けて立ち、幕。
Pacific Northwest Ballet2

Pacific Northwest Ballet1
マーティンス版ラブロフスキー版マクミラン版とは比較せずに
全くの別物 として観る方がいいけど
原譜を知ってると、音楽の使われ方も楽しめますね。

舞台美術がシンプルなだけに、踊りが際立って見えた。
マイムが少なくて、ストップモーションやスローモーションが多様されたり
感情表現にフォーカスしたコンテンポラリーで、手と指先の動きが印象的。
ノイマイヤーを彷佛させるような動きもあったかな。(マイヨーはノイマイヤーの弟子なので)
現代的で斬新な舞台で、他のマイヨー全幕作品も見てみたいな。

Pacific Northwest Ballet3
                        中村かおりさんとロミオ役ジェームズ・ムーア

動画NY Timesの記事

テーマ : バレエ - ジャンル : 学問・文化・芸術