Cinderella

2年振りモンテカルロバレエを鑑賞しに、City Centerへ。
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ジャン・クリストフ・マイヨー振付の「シンデレラ」1999年初演。

☆ストーリーは、こちらで予習。

マイヨー版シンデレラは、かぼちゃの馬車もガラスの靴も出てこなくて
仙女がシンデレラの亡き母親 という設定。
ので、主役はシンデレラ母と父のカップルです。

The Fairy/The mother: Mimoza Koike
The Father: Gabriele Corrado
Cinderella: Anjara Ballesteros
The Prince: Lucien Postlewaite
The Stepmother: Maude Sabourin


プロローグ、物語のモチーフとなる母の形見のドレスを持ったシンデレラが
亡くなった母を回想。
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シンデレラ母と父のPDD、愛する妻が亡くなり(スパンコールが降りかかる)
失意の父、悲しむシンデレラ。マイヨー版シンデレラ役は全幕素足で踊ります。

1幕、継母と意地悪な義姉2人がシンデレラを苛める。
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父は、シンデレラと後妻の間に挟まれて苦悩。継母は、夫を性的に魅了してるよう。
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通常のシンデレラでは、父親は登場しなかったり影が薄いけど
マイヨー版では踊りまくるので、Gabriele Corradoは汗だくに。
ジェローム・カプランの衣装は、モダンで奇抜。
義母と義姉達は、コルセットみたいなビスチェ。

舞台セットはシンプルで、本のページに見立てた?白い衝立が
映像を写すスクリーンになったり、移動して壁になったり と
場面展開に効果的。

ガウンを着た仙女(シンデレラの母)が、舞踏会の招待状を持って来る。
儀典長2人が登場して、ドレスを選ぶ義姉達と継母。
厚手の鎧みたいな?衣装のマネキン4人、マスクで顔が見えないけど
実はイケメン(カーテンコール時に確認)
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変なドレスを選ぶ義姉達。彼女達の心を映したような歪んだ鏡。
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継母のドレスも、尻尾みたいなのがついてるし。
父は燕尾服で普通。
シンデレラも舞踏会に行きたいけど、大量のレンズ豆を剥くように命じられる。
シンデレラ役アンハラ・バジェステロスは、薄幸そうな雰囲気を醸しだしながらも
苛められてもめげず。溌剌と踊ってました。

場面変わって、王宮で虚しい毎日を過ごす王子。
Lucien Postlewaiteは、あまり王子っぽくない と言うか
この版の王子はチャラ男?のようで、友人4人とフラフラ過ごしている。
友人役の1人に、加藤三希央君(狩人兄の息子)が活躍。
ローザンヌ入賞は2年前、まだ若いのに役がついて将来有望?

シンデレラの家のシーンに戻って、みんなが舞踏会に出かけた後
亡き母が仙女となって現れて、1人になったシンデレラに
「シンデレラ」の物語を見せるんだけど、この劇中劇が笑える~
四季の精の音楽だけど、この版では出てこないので
さっきのマネキン4人と儀典長2人が、「シンデレラ」の物語を演じます。
1から12までの番号がついてるマネキンの衣装
後から思ったけど、時計のモチーフだったのかな?
箒(馬の顔つき)にまたいでシンデレラを探しに行く王子
靴に合わせて足を切って血を流す(赤いタイツ)義姉達や
シンデレラと王子から生まれた赤ちゃん4人に爆笑!
早替わりお疲れさまでした~

ユニゾンの振付の儀典長2人が、表情豊かでコミカルな演技が面白い!
アレクシス&ジェオルジェ・オリヴィエラ、兄弟のようで息がピッタリ。
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動きがアニメっぽくて、終始笑わせてくれました~
趣味の悪いドレスをシンデレラに着せて、仙女に怒られたりするし。

亡き母が最後の舞踏会で着たドレスに着替えたシンデレラ。
ガラスの靴の代わりに?シンデレラの足がキラキラになるのは知ってたけど
巨大ガラスボールに足を入れた時に、儀典長の1人が
スパルコールを必死でこすりつけていた。
舞踏会のビジョンを見せて、盛り上がったところで1幕終了。

仙女(シンデレラの母)役は、小池ミモザさん。長身で手足が長いので映える。
堂々とした踊りっぷりで、さらに上手くなっていた。
回想シーンではエレガント。亡くなった時スパンコールが降ってきたのは
後から仙女になって現れる ってことだったのね。
仙女になるとキレがある踊りで、全身スパンコールをまとってるので
一緒に踊った人や、みんなの靴裏にもキラキラが付いていた。

休憩挟んで2幕、舞踏会。中央に階段。
儀典長2人と招待客が踊っていると、階段から仙女が登場。
その後義姉達と継母とシンデレラ父、王子友人4人。
王子は階段から滑って降りて登場。アホッぽい。
招待客の女性達が王子を誘惑しようとして、止めようとする儀典長2人。
今度は、継母と義姉達が王子たちに絡む。
亡き妻そっくりの仙女をずっと追うシンデレラの父が切ない。。。

暗くなり、キラキラ光る足にスポットライトがあたって
シンデレラが階段から登場~
目隠しを取られた王子が最初に見たのは、シンデレラの顔ではなくて足。
王子は足フェチか?
シンデレラと王子のパドドゥと仙女と父のパドドゥが、シンクロする。
このパドカトルが、ラブリーで美しかった!

階段でシンデレラと王子が座ってるのもかわいい雰囲気だし
誰もいなくなって、2人っきりになった2人。
階段から降りてきて、恋に落ちたラブラブなPDD
ロミオとジュリエットのバルコニーPDDっぽい。
逆さリフトやツイスト、ローテーショナルリフトなど若さ溢れる躍動感ある踊り。
シンプルなドレスや素足は、無垢なシンデレラの象徴だったのかな。
コーダのワルツでは、所狭しと男女群舞が踊って盛り上がる。
真夜中になり、光る足の残像を残して王子から去るシンデレラ。

3幕、輝く足探しをするため、儀典長2人が足の絵を描くのが笑える~
美しい足=美しい心 ってことなんでしょうけど。
上手く描けた儀典長は王子から勲章?を貰って喜び、もう1人は拗ねる。
絵を持って、王子御一行がシンデレラ探しに旅立つ。
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白い衝立が帆船となり、儀典長2人が青い布の両端をそれぞれ持って揺らし
大海原へ。客席から笑いが。。。
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異国女性のエキゾチックな踊り。顔全体メイクを塗ってたけど、皆さん美形。
この足じゃない~ とガックリする王子。
仙女が現れて、王子をシンデレラへと導く。

シンデレラの家では、なぜか義姉達が顔と脚を包帯で巻いている。
顔の包帯を取って、満足げに笑ってたけど
王子が女性を探している と聞いて、整形でもしたのか?

王子御一行が、シンデレラの家にやって来る。
義姉達は、儀典長達に脚の包帯を外させる。
が、脚は整形に失敗したようで・・・
映像だと黒くてただれたメイクがグロかったけど
舞台ではタイツだったのでホッ

儀典長2人がシンデレラを持ち上げて、シンデレラの足を王子に見せる。
いつの間にキラキラを付けたんだろう。
王子と結ばれたシンデレラは、父の元を去る。

亡き妻のドレスを手にした父、想いが通じたのか
仙女から妻の姿に戻って現れて、しっとりとPDD
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お互いの足をくっつける振付があったけど、やっぱり足=心なんだね。
シンデレラが幸せになって、仙女の役目が終わったので
お別れを言いに来たのかな?再び愛する人を失う父がかわいそうだけど
継母の首をドレスで絞めるのが怖いんですけど~
最後に妻が消えて、ドレスだけ残されるのが切ない
背後の宮殿の階段では、娘がハッピーエンド(ポスターの絵)
母が祝福するようにキラキラが、シンデレラ&王子に降りかかる。
光を見つめながら、愛する妻を想う父・・・
悲哀あるエンディングで、プロローグとの対比が見事でした。
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洗練された「じゃじゃ馬ならし」と比べると、マイヨーが若い頃の作品ってカンジだけど
亡くなったシンデレラの母が、仙女となってシンデレラを助けたり
ガラスの靴ではなくて、足をキラキラ輝かせる演出が斬新。父&母も絡めて大人なシンデレラ。

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最前列で、儀典長2人の小芝居につい目がいってしまった。ツボにハマって爆笑しっぱなし!

☆NY Timesのレビューはこちら

テーマ : バレエ - ジャンル : 学問・文化・芸術

LAC (Les Ballets De Monte Carlo)

モンテカルロバレエLAC」を鑑賞しに、City Centerへ。
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LAC(Le Lac des cygnes)はフランス語で、The Lake of Swan
古典バレエの名作「白鳥の湖」を新解釈でジャン・クリストフ・マイヨー振付。

King - Alvaro Prieto
The Queen - Mimoza Koike
Her Majesty The Night – Maude Sabourin
Prince – Stephan Bourgond
White Swan – Anja Behrend
Black Swan – April Ball
Confident Prince - Jeroen Verbruggen
Archangels of Darkness - Asier Edeso、 Bruno Roque


プロローグは、無声モノクロ映像がスクリーンに映し出される演出。
幼い王子が幼い少女(オデット)と遊んでいるところに
悪魔ロットバルト(女性)がやって来て、自分の娘(オディール)と遊ぶよう王子に強要。
が、オデットと遊ぶ王子に怒った夜の女王が、オデットを連れ去る。
悲しい思い出を胸に成長した王子 から1幕が始まります。

1幕、宮殿
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モダンでカラフルな衣装、セットはミニマム。

古典では母子家庭で国王は登場せず、王妃はマイムだけで踊りませんが
マイヨー版では王がいて、王妃も王も踊ります。
スキンヘッドのアルバロ・プリエト演じる王は、権威的。
女好きなのか?宮廷の侍女にちょっかいを出したり
夜の女王の誘惑に翻弄される。

王妃役、小池ミモザさんは176センチの長身
Mimoza
クールに見えるけど、王子を溺愛して
王子の花嫁候補や息子を誘惑するオディールが気に入らない。

王子役ステファン・ボルゴンは、1幕では何も考えてなさそうな軽いキャラ?
ジェローン・ヴェルブルジャン演じる王子の腹心と楽しんでる。

王子の花嫁候補の役名が、無関心を装った女、強欲な女とかで面白いけど
女性の側面を表わしているのでしょうか?

この版の主役は、白鳥でも黒鳥でもなく
Maude Sabourin演じるHer Majesty the Night夜の女王(ロットバルト)で
1幕開始25分位で登場。オーラと眼力がすごくて、誰も逆らえない存在感。
我が物顔で宮殿に出入りして、王室を乗っ取ろうとする?
闇の大天使2人の手下にサポートされて、妖しく踊り
娘オディールを使って、王子を誘惑。
オディール役エープリル・バールは若々しく、夜の女王との対比になっています。

プロローグからの流れで、夜の女王は王の愛人
私生児オディールは王の娘 と言うのがわかります。
王子は花嫁候補たちが気に入らず、オディールによろめきながらも
ラストには、子供の頃の初恋オデットを思い出します。

原曲と違って、1幕は曲順がバラバラでかなり省略されています。
踊りはとってもモダンで、キャラクター描写が面白い。

インターミッションはさんで2幕、オデット登場。
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古典ではオデットと共に白鳥の姿に変えられた侍女たちがコールド(群舞)ですが
マイヨー版では、夜の女王に支配されて獰猛。衣装も白でなくて、灰色。
羽のような手袋をしています。マシュー・ボーンの白鳥のように攻撃的でハードな振付、
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威嚇したり、夜の女王やオディールたちとオデットを苛める。オデットかわいそう。。。

白鳥役アニヤ・ベーレントは、清楚でピュア。夜の女王によって、白鳥の姿に変えられて
夜だけ人間に戻れるのか、PDDの時は羽の手袋がなくなり王子とラブラブに踊る。
子供の頃を思い出した王子は、オデットに愛を誓う。
が、邪悪な夜の女王(コワい!)に再び白鳥にされてしまうオデット。

3幕、仮面舞踏会。王&王妃以外は白い衣装・仮面。
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女性の仮面は鳥っぽくて、頭には羽根。

愛を誓った女性がいる と王子両親に報告しているところへ
招かれざる客、夜の女王がオデットに化けたオディールを連れて登場。
夜の女王が連れてきてるので、観客にはオディール だとわかるので
どうやって白い衣装から変わるのか、そればかり気になってしまった。。。
(下に黒い衣装を着てるのか、いつ早変わりするのかと)
スペインの踊りで盛り上がっている途中、コールドの中で衣装の一部を黒くしたよう。

オデットだと思い込んだ王子、勝ち誇る夜の女王と娘のオディール。
白鳥の羽に、黒い羽が混じっていき驚く王子
本物のオデットが現れて、騙されたことに気づいて
カオスに。。。

オデットを追う王子(一人で来れないのか仲間付き)
怒りのあまりくオディールを殺す王妃(ビックリ!)
そうくるかぁ という展開。
娘の死を嘆き悲しむ夜の女王は、もちろん復讐
ボロボロになったオデットと嘆く王子が、夜の闇へと消えていきます。。。
ラストの黒いベールの演出も見事。
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ダンサーたちのパワフルな踊りに圧倒されました。
LAC5

個人的には「ロミオとジュリエット」の方が好みですが、斬新なマイヨーの世界を楽しめました。
シンデレラ」も見てみたいな。

☆NY Timesのレビューは、こちら

日本では来年上演予定のよう。

テーマ : バレエ - ジャンル : 学問・文化・芸術