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Christopher Wheeldon’s Cinderella

San Francisco Balletの「シンデレラ」を鑑賞しにDavid H. Koch Theaterへ。
SFB1

オランダ国立バレエとの共同制作で、初演時ネット中継で見て一番良かった
と思った振付は四季の精。パドドゥは印象に残らなかったけど
豪華だった舞台美術が観たくて、最前列で鑑賞。
客席にはイリーナ&マックス夫妻やケント、マッケンジー芸監、もちろんウィールドンも。
ウィールドン振付2作目の全幕バレエで、来年は新作「冬物語」を振付けるよう。

Cinderella: Maria Kochetkova
Prince: Joan Boada
Stepmother: Marie-Claire D’Lyse
Stepsister Edwina: Vanessa Zahorian
Stepsister Clementine: Frances Chung
Benjamin: Taras Domitro


プロコフィエフの音楽にインスパイアーされるのか、いろんな振付版がありますが
クリストファー・ウィールドン版「シンデレラ」は、ガラスの靴やかぼちゃの馬車の
ペローの童話ではなく、グリム童話を基にしているよう。靴はゴールドで
仙女は登場せず、母親のお墓のそばのハシバミの木や
Fate(守護の精?)4人が、シンデレラの願いを叶える。

ウィールドンのオリジナルとしては、シンデレラと王子の子供時代の描写があり
王子の友人兼側近ベンジャミン役がいて、いじわるでない方の義姉と結ばれる。

1幕、シンデレラの母が亡くなるシーンから4人のFateが登場。
ゴールドのマスクが不気味ですが、母親を天に召してから
常にシンデレラを見守ります。
シンデレラの涙で、母のお墓のそばにハシバミの木が育つ。

場面変わって、宮殿で王子ギョームと友人ベンジャミンの子供時代。
ダンス教師をからかう子役二人がかわいくて、やんちゃそうに演じる。

成長したシンデレラがお墓参り、ハシバミの木が大きくなってます。
父が継母、義姉二人と登場。彼女たちが供えようとした花をシンデレラは拒絶してしまう。

再び宮殿、大人になったギョーム&ベンジャミン。ギョーム役Joan Boadaが
あまり王子っぽくない。ベンジャミン役Taras Domitroの方がエレガントで
踊りもお茶目な演技もよかった。
壁には女性たちの写真が掛けられて、王子に結婚を促す両親。
両親の心配をよそに、服を取り換えて街に繰り出すギョーム&ベンジャミン。

シンデレラの家のキッチン、上手側に暖炉。
回転するテーブルで、食事をサーブするシンデレラ。
Fateの4人が黒子のようで、上手い演出。
シンデレラの代わりに掃除してくれたりするし。

Stepsistersは醜くなくて、Edwinaはいじわる
Clementineは気弱でEdwinaに逆らえない という設定。
二人とも、踊りもコミカルな演技も良かったです。

乞食のふりをした王子が、シンデレラの家に物乞いに。
食事をくれるシンデレラに、優しさを感じるギョーム。
舞踏会の招待状を持ってきたベンジャミンを、継母と義姉二人は
王子だと思い込んで、チヤホヤして取り合いに。
この版では、義姉妹たちの身支度や踊りのレッスンがないので
ガヴォットは、義姉二人の見せ場の踊り。

舞踏会を夢見るシンデレラ、ギョームが笑わせて一緒に踊る。

夜になり、シンデレラへの招待状を暖炉に捨てた継母は義姉たちと舞踏会へ。
一人残されたシンデレラ、暖炉からスモークが出て
Fateの4人にリフトされて星空になり、ハシバミの木の前へ。

葉が生い茂る中から四季の精が登場、シンデレラに踊りを教える。
カツラの色がすごいけど、ウィールドンはアブストラクトの振付が上手いので
この一幕最後のシーンが、やっぱり一番良かったかな。
ソリストの山本帆介さんが、秋の精のリードでした。

英国バレエ(ウィールドンがイギリス人なので)のお約束である被り物も登場~
キタロウのオヤジみたいなのはハシバミの実?童話に出てきた白い鳥や
木の精みたいなの?(グリム童話のダークな雰囲気に合ってる)もいた。
Fate4人の見せ場の踊りもあって、モダンな振付でカッコいい!
(この間にシンデレラがドレスに着替え中)
グリム童話では、ハシバミの木を揺するとドレスが落ちてきたけど
馬車もついてきたんだっけ?

木の枝でできた車輪が現れて、Fate4人が馬車を引き
ドレスに着替えたシンデレラがお城に向かうクライマックス☆
ネット中継でもそうだったけど、客席からおぉーっと歓声が。
幻想的なシーンで、観客の反応がすごかった。

2幕、舞踏会。
クデルカ版の継母はアル中なのか、キッチンドリンカーで舞踏会に行かないけど
ウィールドン版の継母は、舞踏会で飲みすぎて酔っ払う。

継母と義姉たちは、ベンジャミンを王子だと思い込んでいたけど
ギョームが王子の衣装に早替わり。

ウィールドン版では、王子の花嫁候補が招待されていて
ロシアとスペイン、バリの王女が踊り、お付きの人がそれぞれサポート
(バリのお付きだけ女性ダンサーでサポートなし)
王子を追いかけ回すコメディあり。

オランダ国立バレエで観た時はピンとこなかったコールドの踊り
よく揃っていて、難しい振付をこなしていました。
軽そうに見える衣装だともっといいのに。

Fate4人と共にシンデレラが登場。
軽やかだったシンデレラのソロ。妖精のようなコチェトコワ、全幕通して安定した踊り。
王子のバリエーションは、うーん。。。
ベンジャミンとクレメンタインのパドドゥもあります。

見せ場の王子とシンデレラのパドドゥ、これまた難しい振付を考えたもんだ。
肩の上に乗せたり逆さにしたり とリフトが大変そうで、王子が汗だくだったせいか
あまりラブラブな雰囲気を感じず。。。

コーダのワルツ、12時が近づきワイヤーで吊られたシャンデリアが上下する。
継母にマスクをはがされて、Fate4人にリフトされて消えていくシンデレラ。
すぐにセットが変わって(赤い柱が動いて)、その間をシンデレラが走り去る。
シンデレラが片方落としたゴールドの靴を拾うギョーム。

3幕、幕始めは靴に合う女性を探す王子の前に女性達の列。
ロシア、スペイン、バリの王女、なぜか鳥や木の精までいる。

夜空になり、女性達が座っていた椅子が宙に浮かぶ。
ぶつかりながらワイヤーで吊られていく椅子、落ちたら怖いんだけど。
家に戻ったシンデレラは、舞踏会を思い出して踊り
Fate4人にリフトされまくり。こういう振付は上手い。
ゴールドの靴を大事そうに暖炉の上に隠すシンデレラ。

王子が持ってきた靴を無理やり娘に履かせる継母。グリム童話ほどコワくなくてよかった。
靴が入らなくて、キレた継母は暖炉に捨てる。が、シンデレラがもう片方を持って登場。
王子と二人、ハシバミの木の前でアダージョ。幸せいっぱいのしっとりした踊りでよかった。
ベンジャミンとクレメンタインも結ばれて、めでたしめでたし♪
シャンデリアが降りてきて、皆に祝福されてロイヤルウエディング。
SFB3
特筆すべきは、絵本のような舞台美術。Fateの使い方も上手い。
Gaetano Amico、Daniel Deivison-Oliveira、Anthony Spaulding、Shane Wuerthnerは
(マスクで誰か誰だかわからないけど)拍手をいっぱいもらってました。
けっこう重要な役 と思ったら、4人のうち3人がソリストだった。
SFB2
映像を見ていたので、生の舞台だと細かいところもいろいろ楽しめたけど
何度も繰り返し見たいか?と聞かれたら微妙。。。アリスの方が良いかも。

個人的には、シンデレラはビントレー版の方が好み。
来年ABTでは、アシュトン版が初演されます。

テーマ : バレエ - ジャンル : 学問・文化・芸術