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The Little Humpbacked Horse@MET

夏の恒例Lincoln Center Festival、今年はMariinsky BalletがMETで上演されました。
マリインスキー(キーロフ)バレエのNY公演は、2008年4月以来で3年振り。
この時は狭いNYCセンターでの上演で小作品
METでの全幕公演は、2002年リンカーンフェスティバル以来だったので
マチネ&ソワレのダブルヘッダーで、2演目を楽しみました。

The Little Humpbacked Horse1
まずはThe Little Humpbacked Horseを鑑賞。演奏はマリインスキー歌劇場管弦楽団。

ロシア人なら誰もが知ってるエルショーフの民話「せむしの仔馬」を基に
サン=レオン振付プーニ音楽、1864年ボリショイ劇場で初演。
1955年シチェドリンが後に結婚するプリセツカヤのために作曲した音楽に
(この時の振付はアレクサンドル・ラドゥンスキー
ラトマンスキーが再振付して2009年初演。

アメリカ初演で初めて観る演目なので、ストーリーはこちらで予習。
純朴なイワンがせむしの仔馬と共に試練を乗り越えて幸運を手にする と言ったお話かな。

Ivan the Fool: Vladimir Shklyarov
Tsar Maiden: Yevgenia Obraztsova
The Hampbacked Horse: Vasily Tkachenko
Young Mare and Princess of the Sea: Anastasia Petushkova


1幕、赤い家が中央に置かれて童話っぽいカンジ?
畑が踏み荒らされていたので、息子達に見張りを言いつける父親。
兄ガヴリロとダニロはイワンを置いて行ってしまうと、美しい雌馬がやって来る。
イワンは畑を荒らす雌馬を捕らえると、2頭の馬とコブのある仔馬をあげるから
と許しを請う雌馬。仔馬を産み落としちゃいます。
2頭の馬、アンドレイ・エルマコフとカミーリ・ヤングラゾフ
雌馬役のアナスタシア・ペトゥシコーワは、楽しい振付で70年代風ファッション?
ユーモラスな馬っぽいポーズを随所に見せてました。
イワン役のウラジーミル・シクリャローフがかわいい☆
綺麗な肌(上半身裸な衣装)とキュートな笑顔が無敵。
おバカ と言うよりも天真爛漫で、元気で素直なイワンを好演。

火の鳥が舞い降りて、イワンは火の鳥を追いかけに行ってる間に
兄達が畑に戻って、二頭の馬を持って行ってしまいます。
月だった背景が太陽に変わって、ツンツン尖がった帽子の火の鳥の衣装が斬新です。
イワンが火の鳥の羽を手に踊るソロが見応えあり。若さ弾ける踊りで
ここからシクリャローフの見せ場が満載でした!

畑に戻ると馬がいなくなっていて悲しむイワンに
仔馬が一緒に探す手助けをしてくれます。
仔馬役のワシリー・トカチェンコは、元気の良さも動きも仔馬っぽくて
手(前足?)で耳を掻く仕草が、ツボにハマりました。
シクリャローフとトカチェンコのユニゾンの踊りが良かった☆
しなかやに踊る二人は、跳びながら広場へ。

広場での群舞は、ラトマンスキーっぽい運動量の多い振付。
ジプシーの踊りは、顔を拡大プリントした衣装が面白い~
娘たちのしっとりとしたパドシスの後
クレムリン宮殿を模した衣装の家来たちと皇帝演じるアンドレイ・イワーノフが登場。
皇帝の衣装も赤の広場にあるスパスカヤ塔で
侍従演じるイスロム・バイムラードフも、何だかおかしな衣装。×と○の意味は??

兄達から皇帝が馬を買おうとしたところに、イワンと仔馬がやって来て
兄達から馬を取り返します。
馬が欲しい皇帝は、侍従の帽子と引き換えに馬を買うことに。
皇帝ちっちゃ!裸の王様的な?ちょっとオツムが弱いキャラなのかな。
三角帽子をイワンに取られてイジけるバイムラードフは、芸達者。
踊りにキレもあり味のあるダンサーで印象的。コミカルな演技も上手。

皇帝の部屋でイワンも眠っていると、侍従が火の鳥の羽を見つけて盗み皇帝に見せます。
姫君の幻影を見た皇帝は心を奪われて、彼女を見つけてくるようイワンに命じる。
イワンが困ってると仔馬が助けて一緒に探し姫君を探す旅に出る。私もこんな仔馬がほしい♪
再び、イワンと仔馬のユニゾンの踊り。
身体能力が高そうな二人、息つく間もなく跳んで回ってテクニックを見せつけて
踊り続ける二人に観客が思わず拍手。踊りながら幕が下りてインターミッション。

2幕、イワンと仔馬が火の鳥の世界?へ到着。火の鳥は、鳥っぽい振付。
姫君がいて、イワンのことが気に入ったよう。
お下げ姿がかわいいエフゲーニヤ・オブラスツォーワは、昨年観たことがあるのですが
上品で可憐なお姫様。表情もくるくると変わります。ちょっといじわるキャラも入ってる?
二幕にしか登場しないせいか、踊る踊る!
イワンと姫君の出会いの場面の2人のやりとりが微笑ましくPDDも素敵でしたが
仔馬が加わってパドトロワになるのも楽しげでほっこりしました。

姫君を連れて宮殿に戻り、イワンと姫君、皇帝も加わって踊ります。
皇帝は、姫君と結婚する と言い出すも、わがままな姫君は
海底にある宝石のついた指輪がなければ結婚しない と言って困る皇帝。
侍従が皇帝に、イワンに海底を探さればいい と勧め
今度は海底に行くことになったイワンと仔馬。

海の精の衣装が斬新すぎてビックリ!
なぜか男性と女性が同じ衣装で、一瞬全員女性なのかと思ったら男性は女装でした。
顔が逆さに描かれたTシャツに、ロマンチックチュチュ。
(ラトマンスキーは、男性にスカートをはかせるのが好きなのか?)
コンテンポラリーな振付で、クラゲっぽくて面白い~
威厳があった海の女王は、雌馬と二役のペトゥシコーワ。海草みたいな衣装だ。
2頭の馬役だったダンサーが、海の女王をリフトして
重力を感じさせない緩やかな動きが、海の中を漂ってるようでした。
指輪をもらって、宮殿に戻るイワンと仔馬。

イワンを待っている間、皇帝と姫君は踊っている。若くない皇帝はすぐ疲れてしまうけど。
イワンと仔馬が宮殿に戻ると、指輪だけ取られて追い払われる。
皇帝と結婚したくない姫君は、若くてハンサムな人でないと結婚はイヤ
お湯の中に飛び込めば、若くてハンサムになれる とそそのかします。
侍従が イワンで試してみよう と皇帝に勧め、イワンはお湯の中に落とされます。

でも、仔馬が魔法をかけて(イワンに着替えを渡して、イワンが着替えてる間に踊る仔馬)
イワンはハンサムな王子に変身~
それを見た皇帝は、自分も!と煮えたぎるお湯の中に飛び込むも
魔法がかかってないので、死んでしまいます。。。かわいそう~
原作もそうだけど、御伽話なのに死人が出てもいいの?
イワンの衣装がクレムリンになって出てくるのも、ロシア的皮肉なのでしょうか。
新しい皇帝にイワンが選ばれて、姫君と結婚してめでたしめでたし
二人のPDDで盛り上がって、大団円で幕。

The Little Humpbacked Horse2

ラストで姫君に「踊って」とせがまれて、踊り始めるも途中で踊りを忘れ
再びやり直す というおバカ振りを見せるイワン。
ラトマンスキーの振付は、登場人物のキャラがはっきりわかって面白い。
(主役は踊りっぱなしなので体力消耗しそうだけど)
個人的には「イワンと仔馬」より「明るい小川」の方が好みかな?

王道な古典でなくて、マリインスキーには珍しいコミカルな作品だったけど
ダンサーが演技派揃い!干草を食べる仕草がかわいい仔馬のトカチェンコ
腹黒い侍従のバイムラードフ、皇帝やイワンを手玉に取る姫君オブラスツォーワ
躍動感ある踊りで舞台を牽引してたイワン役のシクリャローフ
みんな楽しそうに、個性豊かなキャラを生き生きと演じてました。

The Little Humpbacked Horse3

シュールな絵本を再現したようなシンプルでカラフルな舞台で
edgyな衣装や舞台美術はマレーヴィッチをイメージしたらしく、ちょっと奇抜なものもありました。
シチェドリン音楽のバレエは初めてだったけど、プロコフィエフ風の響きや
ショスタコっぽさも感じて、アレクセイ・レプニコフ指揮による演奏も素晴らしかったです。

The Little Humpbacked Horse4
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テーマ : バレエ - ジャンル : 学問・文化・芸術

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