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The Bright Stream@MET

ラトマンスキー振付の新作「The Bright Stream」を鑑賞しにMETへ。
The Bright Stream1

観る予定でなかったけど、コルネオの代役にボリショイのイワン・ワシリエフがゲスト出演する! 
と言うことで、急遽チケット購入して見に行くことに。
YAGPガラで初めて彼の踊りを見て、衝撃を受け
オシポワと一緒に踊ってくれたらよかったのに とつぶやいたら
なんとMETでオシポワと共演することに!ブログでつぶやいてみるものです。

1986年モスクワ生まれのオシポワと1989年ウラジオストク生まれのワシリエフ
2人揃って昨年プリンシパルに昇格。
オシポワのABTゲスト出演は、2009年「ジゼル」と「ラ・シルフィード」
2010年「ドンキ」「眠れる森の美女」「ロミオとジュリエット」に続いて
今年は、明るい小川2公演、コッペリア2公演に出演。
ワシリエフのABTゲスト出演は初めてで、明るい小川2公演とコッペリアに出演。

明るい小川」は、2005年ボリショイバレエNY公演で上演されましたが
当時は今ほどバレエにはまってなかったので、「ファラオの娘」一演目を観たのみ。
初めて観る演目なので、ストーリーはこちらで予習。

The Bright Stream2
緞帳には旧ソ連の国章、鎌と槌、麦の穂が描かれています。

Zina: Xionara Reyes
Pyotr: Ivan Vasiliev
Ballerina:Natalia Osipova
Ballet Dancer: Daniil Simkin
Accordion Player: Craig Salstein
Galya: Maria Riccetto
Garvrilych: Alexei Agoudine
Milkmaid: Simone Messmer
Tractor Driver: Issac Stappas


音楽がショスタコーヴィチのバレエ(他にも「黄金時代」「ボルト」など)は
初めてだったけど、ロシアのバレエ音楽はみんないいですねー
明るい小川」は1935年に初演されるも、共産党機関紙プラウダで(スターリンに)批判されて
お蔵入りに。2003年ラトマンスキーが再振付して蘇演。今年1月ワシントンDCでABT初演。
バレエを観てこんなに笑ったのは2006年シンデレラ以来?
上演時間は2時間弱と短いけど、中身は盛り沢山な楽しい演目☆

舞台は1930年代旧ソ連時代のコーカサス地方コルホーズ(集団農場)で
(The Bright Streamは、農場の名前です)
そこに1つの社会があり、いろんな職業の人たちがいて配役名になってます。
モスクワから来たダンサーたちとのドタバタコメディ。

一幕、収穫祭にモスクワ劇場から芸術慰問団の到着。
バレリーナとバレエダンサー、アコーディオン奏者がやって来ます。
農業技師ピュートルと結婚して農場に住むジーナ(元バレリーナであることを皆は知らない)
品質検査官ガヴリールィチ、女学生ガーリャ、トラクター運転手、搾乳婦
初老の別荘住人夫婦 と登場人物が多いけど、衣装と振付でキャラがわかって面白い。
主役以外の見せ場も多く、みなさん芸達者で笑えます。
古い映画に出てきそうなバレリーナやガーリャの衣装が、レトロでかわいい。
 
ジーナはバレエ学校時代の旧友と偶然再会して大喜び。昔を思い出して一緒に踊ります。
でもジーナの夫ピョートルが、バレリーナに一目惚れしたようで憂鬱に。。。
レイエスとオシポワのユニゾンの踊りあり。
オシポワの軽快なポワントワーク。パワフルでキレがあり、軽やかでした。
レイエスも手堅い踊りで、2人とも可愛い雰囲気が出てた。

古典と違って群舞が賑やか。運動量を多くて大変そうだけど、新鮮に見えます。
バレエには珍しく床に手をついて側転する振付あり。

ワシリエフはダサめな?農村技師のキャラが似合ってた。
ロシア系のわりには手足が短く、ボリショイでは背が低い方だと思うけど
そんなことは忘れてしまう身体能力。なかなか降りてこないジャンプがすごい。
少々荒っぽく(役柄のせい?)パワフルな踊りで
ピルエット・アンドゥオールの途中では、跳躍しながら回転してた。
背面跳びマネージュの後に、さりげなく540。

優秀な農場の作業員にプレゼントを渡して、受賞者達はみんなから祝福され
楽しいダンスが始まりま~す。
コサックダンスが得意そうなガヴリールィチ、初老の別荘住人夫婦のシャコンヌ
トラクター運転手と搾乳婦は、日々の仕事をコミカルに踊ります。

ボリショイでは岩田さんが演じてたアコーディオン奏者、サルスティンのキャラに合ってます。
この役カッコいいですね。一緒に踊りだすガーリャを演じるリチェットの演技もかわいい。

オシポワはシムキンとのPDDの後、ワシリエフへのダイブが思い切りがよくて
客席から声が上がるほど。私生活でもパートナーなので安心して飛び込んでいけるのかな。
オシポワが勝手に回って自分で跳び上がってくれるので、シムキンのサポートは
軽く手を添えるだけでよかったような。アイスダンスのローテーションリフトのように
グルグル振り回すのは大変そうでしたが。
シムキンのソロは、こういう踊りでもエレガント。音のとり方が上手いですね。

ハイライトは、何と言ってもオシポワ!男性顔負けの迫力ある跳躍にビックリ!
高地の住人とクバンの作業員の勇壮な民族舞踊に触発されて、思わず踊りだすシーンで
連続グランジュッテを繰り返すんだけど、プレパレーションなしで軽々跳んでた。
スピードがあり力強くて、しかも美しい~

バレリーナに一目惚れした別荘住人おじさん、男性ダンサーに惚れた若作りの妻
ガーリャを気に入ったアコーディオン奏者、それぞれの相手とひそかに会うことを考える。
ジーナがダンサーだったことを知ると、皆はビックリ。
レイエスは、キレのある回転技を披露。
浮気夫ピョートルをこらしめようとバレリーナとバレエダンサーが一肌脱ぐことに。
(それがなんで女装?男装?なのかは??だけど)

2幕、いたずらな計画を一つづつ実行していきます。
癖のある役のサルスティン、キザでちょい悪っぽい踊りでガーリャにせまります。
このシーンの振付、音楽に合ってて一番好きかも。ガチンスキーを思い出した。
犬の着ぐるみを着たトラクター運転手役スタッパスが、得意の演技で笑わせて
ワンワン吠えてアコーディオン奏者を追いかけます。

浮気心を出した初老の別荘住人と女装バレエダンサーの踊りは、最大の見せ場?
シムキンのシルフィード姿、可憐でチャーミングすぎ!本当は爆笑するシーンなんだけど
遠目で見ると一瞬女性?と見間違うほどロマンティックチュチュ&花輪がお似合いです☆
ウィリのように?舞台を超高速で横切り(笑)シルフ役もできそうだ。
ポアントワークも見事で、アラベスクパンシェも披露!
動きも柔らかくて、あまり違和感がないのがすごい。
もっと男性的でデカい人がやる方が、ドリフっぽくて笑えるかも?
初老の別荘住人のウオッカの瓶を奪って、大股開きでガブ飲みする小芝居あり。

別荘住人の妻は、男装したバレリーナを誘惑。
男に変装したオシポワは少年のよう。踊ると宝塚の男役スターみたいでカッコいい☆
1幕シムキンが踊ったのと同じ振付があり、男前な踊りだけど
その中にも軽やかな上品さがあります。
若作りの派手な勘違いおばさんも、コミカルな動きで笑える。

バレリーナとデートするピョートル。仮面をつけてバレリーナに扮した妻ジーナとのPDD。
他の女性とのデートに自分の奥さんが仮装して現れるのって
「フィガロの結婚」や「こうもり」もそうだけど、世界共通のユーモア?
最後まで自分の妻だとは気がつかず、バレリーナだと思って花まで渡します。
男装のバレリーナが、別荘の住人に決闘を申し込むドタバタ劇も面白い~

ラストの収穫祭では、ジーナとバレリーナが同じ衣装と仮面をつけて踊ります。
おバカなピョートルは、二人が仮面をとって初めて
自分がデートしてたのが妻ジーナであったと気づき、許してもらってハッピーエンド。
二人の和解とコルホーズの豊作を祝って、全員が陽気に踊り騒いで
ラストは観客席に向かって手を振りながら、幕。

The Bright Stream5

どのキャラも個性があって演技も細かくて、目が離せませんでした。
美術や衣装も、その時代の雰囲気がたっぷり。
コメディなんだけど踊りが満載で、群舞の操り方も上手く
リズミカルな音楽を視覚化したラトマンスキーの振付が素晴らしい~
ダンサーたちも楽しそうでエンターテイメント性があり、ABTに合ってるかも。
来年もレパートリーに入ってるといいなー

☆NY Timesの記事はこちら

The Bright Stream3

センスの良さを感じた振付で、来月の「イワンと仔馬」「アンナ・カレーニナ」も楽しみです♪

ラトマンスキーとABTとの契約は2023年まで、毎年最低1作品を新作か再振付するそう。
来年は、ストラヴィンスキーの「火の鳥」を振付&METで上演することが決まっています。
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テーマ : バレエ - ジャンル : 学問・文化・芸術

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