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Swan Lake (Bolshoi)@Big Cinemas Manhattan

ABTを鑑賞した時、お隣に座っていた方に教えて戴いたBallet in Cinema
Ballet in Cinema2

ニューヨークでも上映してるよ とのことで
アンコールでしたが、ボリショイバレエ「白鳥の湖」を鑑賞。
Ballet in Cinema1

ユーリー・グリゴローヴィチ振付(2001年版)、2010年9月26日上演されたもので
パーヴェル・ソローキン指揮によるボリショイ劇場管弦楽団の演奏。

ほぼ時間通りに上映が始まり、案内役の人が登場。
英語字幕なし?と思ったら、英語でも話してくれてホッ。

Odette: Mariya Aleksandrova
Prince Siegfried: Ruslan Skvortsov
Rothbart: Nikolay Tsiskaridze
Jester: Vyacheslav Lopatin
Prince’s friends: Anna Tikhomirova, Nastasiya Yatsenko
Hungarian Bride: Juliya Grebenshchikova
Russian Bride: Viktoriya Osipova
Spanish Bride: Anna Tikhomirova
Neapolitan Bride: Dariya Khokhlova
Polish Bride: Angelina Vlashinets


グリゴローヴィチ版のエンディングは、悲劇バージョン。
全ての登場人物を踊らせるように振り付けたそうで
各国花嫁候補のお姫様たちも、民族ダンスの先頭に立ってポアントで踊り
よく省かれるロシアの踊り(ルースカヤ)があり
ロットバルトも王子と同じくらい踊るのが特徴です。

序曲の演奏の後
一幕、ジークフリード王子誕生日の宴。
王子役ルスラン・スクヴァルツォフが、いきなりグランジュテで登場。
長身でスタイルが良くて、ボリショイって雰囲気でラインが綺麗。
テクニック的には、期待の若手 と紹介されていたピエロ役
ヴィアチェスラフ・ロパーティンの方に目を奪われました。

王妃が登場してもすぐ退場せずに、パドドロワの踊りも群舞も最後まで座って見ています。
お付きの人たちだか王族の人たちだか、やたら人数が多くて豪華。
ベンノがいないので、パドドロワに王子が加わりますがほとんど踊らず
見せ場は女性ダンサー2人、ナスタシア・ヤツェンコとアンナ・ティホミロワ
ピケやシェネなど回転技が多い振付で、ピエロがちょっと参加したりする。
群舞の踊りは、男性ダンサーのカブリオーレの連続からの盛り上がりが良かった。
乾杯の踊りの、出の部分の振付も。衣装もセットもシックで素敵。

グリゴローヴィチ版のロッドバルトは、ヌレエフ版やノイマイヤー版のように
影のような存在なのか、常に王子のそばにいて王子を操ろうとします。
王子とロッドバルト2人が踊るシーンが印象的。
ユニゾンの振付もあって、ロッドバルトは王子の心の闇を表しているんでしょうか?
演技が濃いツィスカイリーゼは、ハマリ役!
圧倒的な悪のオーラと存在感でした。

セットが変わって、紗幕越しに白鳥たちの幻影。
オデットも、ロッドバルトが王子に見せている幻想 という解釈なんでしょうか?
アダージョでは、あまり二人の結びつきは感じられなかったかな。
マリア・アレクサンドロワは、逞しそうであまり好みのオデットでないかも。
アームスの動きは柔らかくて、水面を動くようなパドブレ。
スクヴァルツォフは、サポートが上手いですね。

大きな白鳥は3人での踊り。小さな白鳥の揃い具合は、さすが!
群舞のフォーメーションは、カメラが上からのアングルで撮ってくれて綺麗。
まだ一幕終わった後なのに、カーテンコールがあるんですね。

インターミッションでは、舞台裏でツィスカリーゼのインタビューで
グリゴローヴィチ版の特徴の説明。
ソ連時代、もともと悲劇だったのを「幸福なソ連で悲劇は許されない」と却下されて
仕方なくハッピーエンドにしたけど、ソ連崩壊後レパートリーに復活した際
グリゴローヴィチが自ら手を入れて悲劇に改訂
プティパ&イワノフ版の前の初演ライジンガー版は失敗 と言われてるけど
それは間違いで、その証拠にボリショイのレパートリーからなくならなかった
批評家の評判は悪かったが、観客は作品を愛していた など
インタビュアーの人が英語に訳してくれました。

2幕、舞踏会。ピエロがいきなりジュテ・マネージュで魅せます。
チャルダッシュ、ルースカヤ、スペイン、ナポリ、マズルカと
花嫁候補たちの踊り。各国のお姫様が踊るのがいいですね。
それぞれの衣装も素敵。

この後に、王子登場。花嫁候補がいるのに王子は民族舞踊を見ないんですね。
王妃に促されて、ワルツを踊る王子。
誰も選べないところに、予期せぬ来客を告げるファンファーレで
ロッドバルトと黒鳥オディールが登場。
各国の花嫁候補にお付きのダンサーがいるように、オディールも手下?の黒鳥を連れ添ってます。
まずABT版4幕で使われてる曲で踊った後に
グランパドドゥ。王子とオディールのソロの音楽も、違うバージョンです。

アレクサンドロワのオディールは、パワフルで本領発揮か。
高速フェッテは、時おり両腕を上げてオケのテンポもかなり速め。
ロッドバルトの対極である王子スクヴァルツォフは、気品ある佇まいで
悪に操られて幻想の中に迷い込んでしまう繊細さが感じられました。
ツィスカリーゼは素晴らしく、彼が踊ると舞台全体を悪で支配します。 

王子がオディールに愛を誓ってオデットを見せつけられるシーン
オディールも一緒に踊ります。
オデット/オディールは、一人の女性の別の側面を見せている とよく言われていますが
グリゴローヴィチ版のオデット/オディールって
王子の女性に対する心の反映なのでしょうか?
オデットが理想の女性像で、オディールは誘惑したい女性像なのかな。
結局、理想の世界は手に入れられず、現実を知る(1人とり残される)ってカンジ?

再び、場面が湖畔に変わり
王子とオデットは、ロットバルトと手下の黒鳥たちに邪魔されて引き離されます。
ラストは、息絶えたオデットとロッドバルトが紗幕の向こうに消えていき
1人残された王子は嘆き悲しみ倒れこんで、幕。

ハッピーエンド版に慣れてると、後味の悪い幕切れですが
ロットバルトに操られる王子が描かれていて
これまで影が薄かった王子の内面にスポットが当てられてるのが新鮮。
セット背景で心理的陰影を表していました。

画質と音質が今イチで、生の公演のような臨場感やオーラが伝わりにくかったのが残念。
でも海外のカンパニーの公演が見られるは嬉しいので
どんどん上映してほしいです。

☆日本ではワールドクラシック@シネマ2011が上映。
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テーマ : ニューヨーク - ジャンル : 海外情報

コメント

No title

ツィスカリーゼのロットバルト! ぜひ観てみたいものです。それはそれはすごい迫力でしょうね。王子さまはよほどのダンサーでないと、食われてしまいそう…。

あくび様

グリゴローヴィチ版はロットバルトの見せ場が多くて、見応えがありました!舞台を悪のオーラで支配したツィスカリーゼのロットバルトは顔濃い・メイク濃い・演技濃い!でした。
来年のKing of Dance@NYCセンターの出演者には残念ながら入ってなくて、また生で見られるのはいつの日か。。。
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