Paris Opera Ballet Vol.1

夏の恒例Lincoln Center Festival
Paris Opera Ballet2
今年は、Paris Opera Balletが来てくれました~
Paris Opera Ballet1
北米ツアーは11年振り、NY公演は16年振りだそう。
Paris Opera Ballet3
ジゼル」は1841年ペロー&コラーリ振付、パリオペラ座で初演された本家本元。
1887年マリインスキー劇場でプティパ版が改訂、この版が継承されて世界中で上演される。
1924年パリオペラ座でも復活して、再びレパートリーに。
現在上演されているのは、1991年改訂振付Patrice Bart&Eugene Polykov。

怪我人が出たこともあり、最初に発表されたキャストから変更があり
リュドミラ・パリエロが見られなかったのは残念でしたが
お目当てのマチュー・ガニオは拝めました☆

Giselle: Aurelie Dupont
Albrecht: Mathieu Ganio
Myrtha: Emilie Cozette
Hilarion: Vincent Chaillet
Pas de deux des paysans: Charline Giezendanner、Fabien Revillon


1幕、村人たちが登場して楽しそうに踊って通り過ぎる。
下手側に萱葺き屋根のジゼルの家、上手側にアルブレヒトが剣を隠す小屋。
奥行きがあって、遠くに見えるお城がアルブレヒトの本当の住まい?
淡い色彩で、村の男女の衣装も背景の絵にとけこむような色合い。

ジゼルに思いを寄せるヒラリオンが、花束をジゼルの家の前に置いて立ち去る。
ヒラリオンの衣装がダサいのは、万国共通? 

従者ウィルフリードを連れて、村人ロイスになりすました公爵アルブレヒトが
舞台奥のスロープを下りてくる。マチュー登場で、会場から盛大な拍手。
あまりの美しさに、一挙一動を追ってしまう~
役柄に相応しくエレガントで、ハンサムな貴公子そのもの。
簡素な服装に変装してもキラキラ☆オーラで、気品に溢れてます。
ウィルフリードに「どうだい、村人に見えるだろう?」いやー見えないって。
美しい立ち振るまいと、育ちの良さは隠せないでしょ。
剣をはずしてマントと共にウィルフリードに隠させて、ジゼルの家をノック。

パリオヘは、プレイボーイのアルブレヒト と聞いてたけど
甘くて優しそうな雰囲気。指を天に向けてジゼルへの愛を誓ったり
ベンチ(舞台真ん中に置かれて見やすかった)で花占いの演技もスマート。
身分を隠している罪悪感を持ちつつも、愛らしいジゼルに惹かれている様子。

オレリーのジゼルは村娘にしては気品が漂い、貴族の血が流れてそう?
少女らしさを強調しすぎるような大袈裟な演技ではなくて、自然体。
マチューと並ぶと、お姉さんっぽいけど
心優しい村娘 って感じで、アルブレヒトに向ける視線も柔らかい。
所作のひとつひとつが優雅で、二人のジュッテの軌跡やラインが美しい~
仲睦ましく踊っていたところに、ヒラリオンが割って入り
無理矢理ジゼルに気持ちを押し付けようとする。
ヴァンサン・シャイエ演じるヒラリオンは、カッとなると熱くなる危ないタイプ。
ヒラリオンが短剣を振りかざすと、思わず腰の剣を抜く仕草をしてしまうロイス。
お芝居が細かいです。

ヒラリオンが去った後、村人たちが出てきてジゼルが得意の踊りを披露。
ロイスも一緒になって踊る。コールドの男性も男前が多くて、眼福でした。

ジゼルの母ベルタが家から出てきて、体が弱い娘を心配してウィリの話をする。
このマイムに迫力があり、照明が落ちるのが効果的。
既にウィリたちに呼ばれてるような?ジゼルは、心に深く刻む様子。

ベルタがジゼルを家へ連れて帰り、2人はキスして別れる。
領主の狩りの一行が近づいていることに気づいたアルブレヒトは、急いで身を隠す。
それを見ていたヒラリオン、どうもヤツは怪しい と考えて
小屋に入って、アルブレヒトの剣を見つけます。

領主クーランド公御一行が、スロープを下りてやって来る。
アルブレヒトと貴族たちは、坂を下りて村にやって来るんだけど
身分が上の貴族が、下にいる庶民の世界に来るのを
スロープを使って視覚的に表現しています。
飲物を欲しがる貴族たちを村人が接待。
貴族たちの衣装が、その格好で狩りに?と思うほど豪華。

ふつうジゼルとバチルドの首飾りのやりとりが終わると、貴族たちは解散するけど
この版では、貴族御一行に村人たちが踊りを披露 という演出で
シャルリーヌ・ギゼンダナー&ファビアン・レヴィヨンが、ペザントのパドドゥ。
間にジゼルの友人、女性8人の踊りも入ります。
細かいステップをきっちり踊って見ごたえがあり、音楽的で好印象。
8人の友人達の踊りも、複雑なステップをこなして
明るい雰囲気で、舞台に彩りを添えました。

ジゼルの家って、村の中では裕福で大きいのかな?
クーランド公が休憩しようとジゼルの家の中に入ろうとした時
跪いているジゼルの顔を上げさせじっと見つめて、その後ベルタを見て家に入っていきました。
この演技、何か意味があるのか?と思ったら、ジゼルは貴族の落しだね という設定だそう。
貴族たちは、それぞれ休憩の場を捜して解散。
クーランド公がウィルフリードに角笛を渡して、入口に掛けます。
ヒラリオンがアルブレヒトの剣の紋章と角笛を見比べて、ある確信を得ます。

村人たちがダンスを再開。ジゼルが収穫祭の女王に選ばれる。
いつの間にかアルブレヒトも加わり、バチルドがジゼルに与えた首飾りを見て
まずい!と視線を泳がせる。
収穫祭の楽しい雰囲気の中、1人客席の方を向いたアルブレヒトの不安そうな表情
これから起きる不吉な運命を暗示するよう。
コールドのフォーメーションが面白くて、細かいステップだけど
揃っていて魅入ってしまう。

幸せな2人にヒラリオンが割って入り、貴族の証の剣で二人を隔てます。
ヒラリオンが角笛を鳴らすと、クーランド公一行が現われる。
狂乱のシーンは、よくあるエキセントリックな表現ではなくて
静かなだけに、痛々しさが伝わってくるよう。
茫然自失となったジゼルには、何も見えていないようで
事実を受け入れられず、ショックで壊れてしまったカンジ。
壊れていくジゼルを見て当惑するアルブレヒトは、顔を覆って泣いてしまう。
腕の中で息をひきとったジゼルを、信じられない思いで抱きしめて
ようやく罪の重さと失ったものの大切さに気がついたよう。
ベルタや村人たちに拒絶されて、自分の行いを後悔して走り去ります。

2幕 スモークがたかれ、木が生い茂る夜の森。
照明が暗くて見えにくいけど、背景には廃墟となった教会?
ヒラリオンが、ジゼルのお墓参り。
墓場でサイコロ賭博?をする男達は初めて見た演出だけど、何か意味があるのか?
初演時の名残りなんでしょうか。
暗闇にウィリたちがやって来て、逃げる男たち。

ウィリの女王ミルタとウィリたちが登場。
Paris Opera Ballet5
パフスリーブの衣装が可愛い。

コゼットはちょっと固いけど、舞台を滑るようなパドブレが素晴らしい。
ダイナミックなジャンプで、威厳のある女王の風格が漂う。
様々なフォーメーションを見せて、6人ずつで踊ったり静止するウィリ。
ミルタに向かって両手を伸ばしたり、一斉に拒絶のポーズをとったり
後ろ向きのパ・ド・プレで去るところなど、統制のとれた踊りで
女王ミルタが動かしているよう。
メソッドが統一されて、体型・技術レベルが揃っていてさすがの美しさ。
新しくウィリに加わるジゼルを呼び出します。
演奏ゆったりめなので、スピード感はないけど
丁寧で、音楽にピッタリ合った踊り。

アルブレヒトが百合を持って登場。貴族の衣装とマント姿が似合うマチュー。
花を捧げて墓前に横たわり、後悔して嘆き悲しむ姿も絵になります。
その周りをジゼルが舞っているけど、アルブレヒトは気配を感じても姿は見えないよう。
切なさが伝わります。

ウィリに捕まったヒラリオンが、囲まれた輪から脱け出せず
ミルタの命令で踊らされ、沼に突き落とされて死んでしまいます。
ヴァンサン・シャイエは上手いのに、見せ場が短かいのが残念~
ラストのシェネがすごかった!何回転したんだろ?
苦しそうに踊るヒラリオンを眺める冷酷なミルタが怖かったー

アルブレヒトもウィリに捕まりますが、ジゼルが助けます。
PDDでは、途中でウィリーが二人を離したりする振付なんですね。
オレリーのジゼルは、母性 と言うか温かみが感じられる精霊で
幽玄 と言うよりも、純粋な愛で満ち溢れているよう。
ひんやりしているのではなく、包み込むような優しさを感じました。
音楽と一体化した踊りで、バランスキープが長くゆったりした動きが優美。

アルブレヒトのヴァリアシオン、しなやかな跳躍に、オーっと歓声が。
倒れる姿さえも優雅。
コーダでは、魂の叫びのようなアントルシャ・シス。28回くらい?
床じゃなくてトランポリン?と思うような高さで滞空時間も長く
驚きで客席がどよめいた。爪先が伸びた美しい脚で
最初は低く後半だんだん高くなる跳躍が、ミルタに操られてる感があり
倒れこむ演技も自然。

夜が明け鐘の音が鳴り、ウィリたちは去っていきます。
朝陽が差し込んで、倒れるアルブレヒトを助け起こして
包み込むように抱くオレリーが聖母のよう。
アルブレヒトが近づくと、ジゼルが後ろ向きにパ・ド・ブレで下がり
近づくとまた下がり、と余韻を残すように静かに消えていきました。

ジゼルのお墓前に横たわるアルブレヒト。
ハッと夢から目が覚めたように起き上がります。立ち上がり方も美しい☆
夜ジゼルのお墓参りに来たアルブレヒトが夢を見た、という設定なんでしょうか?
花を拾って、舞台中央へ歩いていくアルブレヒト
この夜起こったことを思い出しているのか
朝の光を求めるように、観客に向かって前に歩き進んで幕。

群舞や貴族がフリーズしたり、演技・マイムも細かくて
コールドの美しさにどっぷり浸りました。
Paris Opera Ballet7
NY Timesの記事は、こちら
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テーマ : バレエ - ジャンル : 学問・文化・芸術

コメント

ジゼル

こんにちは~。

ジゼル良かったですね!
オペラがつまらなくなり、バレエ三昧の今年でした。

またロングアイランドの美味しい情報下さいね。
夏場は行く機会が多いので楽しみにしております。

Annさま

Annさんも観に行かれたんですね!バレエお好きなんでしょうか?
ABT版との違いも楽しめました。

夏はビーチに来られるんでしょうか?
レストラン、なかなか新規開拓できなくてすみません。。。
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