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Giselle@MET

MET公演最終日、ロマンティックバレエの傑作ジゼルを観てきました。

ハイネのドイツ論(精霊物語)を題材にした
貴族とは知らずアルプレヒトに恋する村娘ジゼルの悲恋物語。
二股男は好きでないんだけど、何度見ても引き込まれて感涙します。

初演は1841年パリ・オペラ座、ジャン・コラリ&ジュール・ペロー振付
現在上演されているのは、プティパ改訂版。
音楽はアドルフ・アダンですが、改訂時ブルグミュラーミンクスが曲を追加。
ジゼルが傑作となったのは、音楽の力も大きいかと。

高度なテクニックが発展する前のロマンティックバレエは
32回転フェッテなどのド派手な技はありませんが
並外れた演技力が必要とされる演目です。

Giselle: Irina Dvorovenko
Albrecht: Maxim Beloserkovsky
Hilarion: Isaac Stappas
Peasant Pas de Deux: Misty Copeland, Carlos Lopez
Myrta: Veronika Part

1幕、ドイツの農村
従者ウィルフリートが諌めるも、村人ロイスになりすまして
踊りが好きな村娘ジゼルとのデートを楽しむ公爵アルブレヒト。
森の番人ヒラリオンがジゼルに愛を告げるも
アルブレヒトを愛している とジゼルに言われて、振られるヒラリオン。

ブドウの収穫を終えた村人たちと、楽しくワルツを踊るジゼルとヒラリオン。
娘の心臓が弱い事を心配したジゼルの母ベルトが
結婚前の娘が死ぬとウィリとなってしまう伝説を言って聞かせる。
この時のコールド村娘達の怖がる表情が、なかなか良い。

ジゼル役のイリーナ、村娘なのに気品があリすぎ!
子供の頃、森に迷い込みそのまま農村で育ったけれど
実は貴族の娘 と勝手にストーリーを変えたくなりました。
確かそんなバレエがあったような。パキータでしたっけ?
かわいらしくて純真な村娘を演じていました。

農夫ロイスに変装しているアルブレヒト公爵も、麗しい美青年。
エレガントな踊りで、プレイボーイ役がお似合いのマックス
二人の笑顔が幸せそうなだけに、この後の悲劇がかわいそすぎる。

存在感があったヒラリオン役のスタッパス
演技力があるせいか、キャラクターロールに抜擢されることが多く
いつもはメイクがすごいのですが、今日はかわいらしいお顔が見られて嬉しい。
ジゼルへの一途な片思いの演技は、ちょっとストーカーっぽい?
いくら自分を思ってくれても、愛していない男には心が動かないジゼル。
女心を鋭く突いているお話です。

狩りの角笛の音が聞こえ、貴族たちに見られる事を恐れて立ち去るアルブレヒト。
恋敵の正体を明かしてやろう とヒラリオンはアルブレヒトの家に空き巣。
狩猟に出たクールランド公爵一行が現れ
(本物のワンちゃんが大人しくて賢そう)
ベルトが、一行に飲物をもてなす。
ジゼルを気に入ったバチルド(アルブレヒトの婚約者)は、自分の首飾りを与える。

ペザントのPDDはブルグミュラーの曲で、次世代の若手ホープが踊ることが多いのですが
この日は、ロペスコープラント
二人で踊り、男性ソロ、女性ソロ、男性ソロ、女性ソロの途中から二人での踊りと
普通のパ・ド・ドゥよりも踊りの数が多いです。
手をつくミスがあったロペス、トゥールザンレール頑張ってたのに残念。
コープランドは、ラ・バヤのパドカトルでは他の人よりも回転が速すぎてたけど
今回は、ロペス・音楽と合っていました。

狩を続行する貴族達が去り、アルブレヒトの家で紋章のついた剣を発見したヒラリオン。
ブドウの収穫祭りが始まり、祭りの女王に選ばれたジゼルのバリエーション
片足ポアントで、もう片方の足は前アティチュードで舞台上を進む見せ場は
余裕のある愛らしい笑顔をふりまき、軽々と跳んで
ピケやシェネの回転も綺麗でした。

アルブレヒトもまじえてお祭りが盛り上がってる時に
幸せそうな二人の間に割って入り、アルブレヒトに剣を突きつけるヒラリオン。
さらに、角笛を吹いて貴族を呼び寄せます。
角笛の吹き方も上手なスタッパス。マックスの苦悩の表情も良い。
再び、バチルド姫とクールランド公の登場。もう逃げられないヒラリオン。

陽気な村の場面から、一転悲劇へと変わるドラマチックな展開。
バチルドの手にキスをするアルブレヒトを見て、彼の裏切りを知るジゼル。
踊り手によって演技が微妙に異なる狂乱のシーンは、1幕の見所。
驚きと悲しみのあまりショックで息絶えてしまうジゼルの演技は
涙なしでは見られません・・・


ニ幕 夜の森。婚礼前に亡くなった娘の精霊ウィリが集まる場所。
ウィリに出会うと死ぬまで踊らされて殺される という伝説。
ジゼルのお墓を訪れてクロスを作るヒラリオン、ウィリに見つかってしまいます。
ウィリに追われたヒラリオンが去った後、ウィリの女王ミルタ役のパルト登場。
威圧的に見えるせいか?背が高い人がキャスティングされることが多いよう。
退団する噂があったパルトだけど、結局残留?
ABTは脚力重視なのか、上半身の動きが大味な女性ダンサーが多いので
柔らかい動きをする数少ないロシア系ダンサーのパルトには、頑張って頂きたい。

ローズマリーの小枝でウィリたちを呼び出して、ワルツの踊り。
ドゥ・ウィリは、加治屋さんメスマー
今季大活躍の加治屋さん、繊細な踊りが精霊にピッタリ。
ラ・シルフィード白鳥の湖と共に三大Ballet Blanc(白のバレエ)の一つであるジゼル。
コール・ドの見せ場は、まずまず揃っていて綺麗でした☆
アラベスクで左右からずんずん進んで、ウィリー達が交差する場面で必ず拍手が起こります。

ミルタがお墓からジゼルの魂を呼び出して仲間に紹介、ウィリとしてデビュー
アラベスクのままア・テールで高速回転は、ミルタに操られてる感がありました。
体重を感じさせない跳躍は、精霊そのもの。

人の気配を感じたウィリたちが去り、アルブレヒト登場。
悲嘆に暮れる表情で、マント姿も絵になります。
ジゼルの幻影が現れて、二人の踊り。
ジゼルのことは感じているだけで、見えていない様子。

続いて、ヒラリオンがウィリに殺される場面。
アルブレヒトと違って、ジゼルに助けてもらえなくて可哀想~
ミルタへの命乞いは、真に迫っていてよかったけど
スタッパスのでんぐり返りが見たかった・・・

次の獲物アルブレヒトを捕らえて死に追いやろうとするも、彼を守ろうとするジゼル。
2人の切ない愛の踊りPDDは、名場面。
昨年スワンレイクでも感じたイリーナのひんやりとした透明感
この世のものとは思えない神秘的な美しさが、この役にはまっています。
ロマンティックチュチュから透けて見える脚が、惚れ惚れするほど美しく
青白いライトがさらに美貌を際立たせて、まさに夢幻の世界。
デヴェロッペやパンシェなど、極限のバランス技を魅せて
15年夫婦してるだけありパートナリングも素晴らしく、ふわっと舞い上がるリフト。
最高の美を表現できるようにサポートするマックスは、真のダンスノーブルです!
寄りかかりのポーズも決まり、キエフ仕込みの踊りに見入ってしまいました。
私の好きなアントルシャとパッセの連続技も速くて、驚異的。
レベランスは、ウィリのポーズで2度登場。

イリーナへの拍手喝采に続いて、アルブレヒトのバリエーション。
やり過ぎず、丁寧な踊りでさらに会場を沸かせて
いよいよコーダ

ミルタに操つられてブリゼ
倒れるまで踊らされて、カブリオーレの連続の後
力尽きそうになったその時、夜明けの鐘が聞こえて
ウィリたちが去っていきます。
ジゼルの愛によって、アルブレヒトは救われます。

自分のお墓に戻っていくジゼル、永遠の別れが近づいています。
静かに消えていく彼女を見つめて、独り残されるアルブレヒトの手から
零れ落ちる白い花・・・

Giselle
圧巻だった2幕☆Breathtakingly Beautiful!な舞台でした。

涙と共に終わってしまったMETシーズン
ご一緒して下さった皆さん、有難うございました~
次は、秋のNYCセンターでお会いしましょう♪
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テーマ : バレエ - ジャンル : 学問・文化・芸術

コメント

感涙・・再び。

ジゼル・・本当に素敵な演目でした。加治屋さんは土曜日、出ずっぱりだったんですね。夜は村娘を踊っていました。素敵でしたよ~。

思わずコーダをポチッとして、バリシニコフとマカロワを見てまた感動。バリシニコフの跳躍は神業ですね・・。

はぁ・・終わっちゃいました。

ひまわり娘さま

ジゼルは振付も音楽も好きなので、来年の演目にも入ってますように・・・帰りの電車でお隣の席のおばさまが偶然同じ公演を見たらしく、話が盛り上がりました。
バリシニコフのダンス技術や演技力は、素晴らしいですよね~舞台の空間の使い方の上手いこと!ABTが協力した映画The Turning Point (1977)やジゼルを絡めた映画Dancers (1987)にも出てるので、機会があればご覧になってみて下さい。往年のダンサー達の若かりし頃が観られます。

No title

ジゼルは今シーズンの中野友加里さんのLPにも選ばれました。バレエを鑑賞されたということで、中野さんのジゼルっぷりもご覧になってみてください。

6番さま

コメント有難うございます!中野選手は一昨年シンデレラのバレエ曲を使っていましたね。ジゼルは、どの部分の曲を使うのか、どんな衣装なのか今から楽しみです♪スケートアメリカが待ち遠しい。
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