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Alice’s Adventures in Wonderland (Royal Ballet)

3/28に上演されたロイヤルバレエ「不思議の国のアリスの冒険」の映画館上映。
2011年初演、ロイヤルバレエ16年振りの全幕新作でカナダ国立バレエとの共同制作。
Alice’s Adventures in Wonderland1
主役を踊る予定だったローレン・カスバートソンが怪我で降板し、サラ・ラムがアリス役に。
7月日本公演でもキャスティングされています。

Alice’s Adventures in Wonderland
原作のアリス(ジョン・テニエルの挿絵)は、ロングヘアですが
ウィールドン版は、実在のアリス・リデルと同じブルネットでボブヘア。
3姉妹の写真を撮る原作者ルイス・キャロルやアリスの姉妹ロリーナ&イーディスも登場。
パドドゥを入れるため?庭師ジャック というキャラクターを作り
恋愛要素が入れて、アリスの年齢設定は少し年上に。

Alice: Sarah Lamb
Jack/The Knave of Hearts: Federico Bonelli
Lewis Carroll/The White Rabbit: Edward Watson
Mother/The Queen of Heats: Zenaida Yanowsky
Mad Hatter: Steven McRae


1幕、19世紀オックスフォードの邸宅で、3姉妹の写真を撮るキャロル。
(ルイス・キャロルはリデル家と親しく、実際に写真撮影をしていた)
庭師ジャックがお茶会の為に用意した白いバラの中に、1本だけ赤いバラがあり
アリスの母が激怒。捨てられた赤いバラをジャックはアリスにプレゼント
お礼にアリスがジャムタルトをあげたのに
「タルトが盗まれた!」 とアリスの母がジャックをクビにしてしまう。。。
階級の違いが描かれているのかな。

インドの王族やマジシャン(帽子からウサギを取り出す)太った婦人など招待客がやって来る。
現実世界の人物が、不思議の国とリンクしている という設定で
アリスの母はハートのクイーンで、父親はキング、執事は死刑執行人、召使いは魚とカエル
王族は青いイモムシ、マジシャンはマッドハッタ―、牧師は三月ウサギ
堂守は眠りネズミ、太った婦人は公爵夫人 と姿を変えて登場します。

悲しむアリスを慰めようと、キャロルがカメラを向けてフラッシュがたかれると
突然キャロルが白ウサギになっている という演出。
カメラを入れていたバッグから不思議の国へ。穴(奈落)に落ちていきます。
背景映像のアルファベットは、原作の言葉遊びから?
落ちていくアリスは、マリオネット。
作者キャロルを、不思議の国に導く白ウサギにしたのは面白いアイデアで
ズボンから出た尻尾がかわいい。赤いサングラス(ウサギの赤い目を表わす?)が似合うワトソン。
ラムも黒髪が似合っていて、ジャック役ボネッリとのPDDもラブリー♪

不思議な国では、ハートのジャックJが母にそっくりなハートの女王に追われている。
泣きながら眠ったアリスの潜在意識で、厳格な母親が横暴なハートの女王に変身?
ジャックはここでもタルト泥棒の疑いをかけられている。

小さなドアから、花園(ダンサーたちが客席でダンス)が見えて
好奇心旺盛なアリスが、Drink Meと書かれた飲物やEat Meと書かれたケーキを食べて
体が小さくなったり大きくなったりする演出が面白い。

アリスが流した涙で池(影絵)ができて、動物たちと一緒に泳ぐ。 
姉ロリーナ役がインコ(Lorina=Lory)&妹イーディス役が鷲(Edith=Eaglet)で登場。
岸辺に上がり、体を乾かすためのコーカスレースのシーンも楽しく
art→tart→Start と言葉遊びの演出あり。

カットされたエピソードやキャラクターもあったけど
白ウサギはアリスを紙のボートに乗せて、魚とカエルの従僕がいる公爵夫人の家へ。
女王からの招待状を持った蔵健太さん&オンディヴィエラの踊り、振付が良い。

家の中には赤ちゃんを抱いた公爵夫人、やたらコショウを使う料理人とチェシャ猫がいる。
公爵夫人役は男性でフィリップ・モーズリー、血だらけのエプロンと暗いキッチンがホラー?
アリスは公爵夫人から赤ちゃんを渡されるが、外に出ると豚になっていた。

せかせかした白ウサギを上手く演じるワトソンが再び登場。
アリスは、ハートのジャックと再会してラブラブに踊る。
アリスの理想の男の子を演じるボネッリは、甘い雰囲気。
トランプたちを引き連れたハートのクイーンQとキングKが来て、公爵夫人はクロケーへ。
料理人は斧が縁で?死刑執行人と仲良しに。
ジャックと隠れていた公爵夫人の家から出てきたアリスは、白ウサギに目隠しされて1幕終了。

1幕はマイム、舞台セット、特殊効果で物語が進行されて踊りは少ない。
いろんな仕掛けがあって楽しいけど、あまりバレエっぽくない?

2幕、アリスの前に宙を舞うチェシャ猫が現れる。原作のイメージに近い?
ニヤニヤ笑いのチェシャ猫は、獅子舞のような黒子が操っていて
バラバラになって消えたり浮かび上がる演出で、よくできてる。
アリスを三月ウサギと帽子屋の家へ案内した後、消える。

三月ウサギのお茶会は、リハーサルで見たシーン。
奇抜なルックスのマッド・ハッター役マックレーが、カッコいい☆
2003年ローザンヌ入賞時に有名になった得意のタップダンスを披露。
でもマックレー以外のダンサーやカナダ国立バレエで、彼のように踊れるのかな?
細かく拍子をとった三月ウサギや眠りネズミと絡む振付も良い。
ステージ上のライトになったティーカップや巨大マフィンや巨大ティーポットなど
セットがラブリー。

再びチェシャ猫が現れて消えた後、アリスのソロ。アリスの姉妹が現れては消える。
原作と順序が違うけど、青いイモムシのシーン。
アラブ系の踊り(水キセルを吸っていたから?)で、キノコを表した傘があり
ポワントの女性たちが胴体をかぶってニョロニョロ と面白い演出。
しなやかなアンダーウッドの踊りが好印象。

アリスが青いイモムシにもらったマシュマロをかじると、花園のシーンに。
花のワルツっぽく、突然クラシックバレエに。群舞の使い方が上手い。
ジャックが現れてアリスと再会してパドドゥ。
女王がジャックを捕らえようと現れて、アリスは白ウサギに助けを求めて2幕終了。
2幕は踊りが満載で、やっとバレエらしい。

2幕終了時、斧に書かれたINTERVALの文字が
3幕開演前には、ACT IIIに変わっていた。

3幕は、女王ヤノウスキーの独擅場で影の主役?
まずは白いバラを赤く塗る3人の庭師の踊り。この振付、好きかも。
ハートの女王が、トランプ兵やキングを連れて現われる。
かんしゃくもちの女王は、庭師たちに死刑宣告をした後
「眠れる森の美女」ローズ・アダージョのパロディ(笑)
首を切られまいかビクビク恐れる家来たちと踊る。
ローズの代わりにタルトをかじりながら というのも面白い。
ヤノウスキーは強烈なキャラで、白鳥の湖の時よりもハマリ役?
客席の爆笑と喝采を一人占め。サウンダース演じる内股で鬱気味なキングも笑える。

女王主催のクロケー大会も、アイデアが満載。
ピンクの衣装の女性ダンサーが、手を首代わりにしてフラミンゴの踊り。
道具として使うフラミンゴは、パペット。
ボールとなるハリネズミは、着ぐるみの子役でかわいい。
ゲートになったトランプの女性の衣装、チュチュがトランプのシンボルの形になって
頭にナンバーがついています。

アリスはジャックと再会するも、女王に連行されてしまうジャック。
トランプの踊り、ウィールドンはアブストラクトな振付が上手い。
裁判準備をする白ウサギのソロ。ここまで演技が多くて、やっとワトソンの見せ場。
「カルメン」のパロディ風女王のソロの後、裁判が始まり
陪審員である不思議の国の住人たちと白ウサギが踊って盛り上がる。
ロミオっぽい衣装に変わったジャックの伸びやかなソロ
無実を訴えるアリスとのパドドゥは、しっとり。
二人でハート型を作る振りもあり、3幕のPDDが一番好きかも。
ラストのドミノ倒しも面白かった!

ハチャメチャな不思議の国から、現実世界に戻ったアリス。
1幕の場面に戻るのかと思ったら、セットは同じだけどラジカセが置いてあって
現代の若いカップル(衣装早替わりしたラムとボネッリ)になっていて
本と同じ夢を見ていた というオチ。1幕で踊ったパドドゥを再び踊る。
カメラを持った旅行者、衣装を早変えしたワトソンに頼んで
スマホでツーショット写真を撮ってもらう二人。この男性とどこかで会った気がするアリス。
ベンチに本を忘れて立ち去る二人。白ウサギの仕草をした男性が、本を読み始めて幕。
Alice’s Adventures in Wonderland2
最初から最後まで出ずっぱり踊りっぱなしでハードなアリス役を、表情豊かに演じていたラム。

モダンな背景映像や舞台装置、ポップな衣装とメイク、オモチャ箱をひっくり返したような音楽
ユニークな振付で、原作の不思議な世界をクリエイティブに再現。
アリスとジャックのロマンスを盛り込んで、場面転換も多く
ふだんバレエをあまり観ない人や子供も楽しめるエンターテイメント。
Alice’s Adventures in Wonderland4
私のイチ押しスティーヴン・マックレー、来月のABTゲスト出演が楽しみ♪
Alice’s Adventures in Wonderland5
眠りネズミのジェームズ・ウィルキーと三月ウサギのリカルド・セルヴェラ
Alice’s Adventures in Wonderland6
セクシーだったエリック・アンダーウッド
Alice’s Adventures in Wonderland7
フラミンゴとハリネズミ
Alice’s Adventures in Wonderland3
トランプのリードには、小林ひかるさんとチェ・ユフィさんも。

カンパニー総動員の賑やかさで、脇を固めるダンサーたちも楽しんで個性的なキャラを表現。
演劇的でロイヤルにピッタリな演目です。
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テーマ : バレエ - ジャンル : 学問・文化・芸術

コメント

No title

こんにちは

私も7月にロイヤルバレエのアリスのバレエを観に行くんですよ~
すっごく楽しみにしています。
それにしてもセントラルパークにアリスの像があるなんてステキですね。

アリス

コメント有難うございます♪
ロイヤルバレエ、ご覧になるんですね!
NYには長らく来てないようなので羨ましい。
アリスは面白い仕掛けが沢山あって上手く原作を再現しているので、楽しんで下さいね♪
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