Onegin@MET Vol.3

オネーギン最終日、昨年見逃したヴィシニョーワ&ゴメス。月曜なのにかなり席が埋まってた。
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Photo by Gene Schiavone
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Eugene Onegin: Marcelo Gomes
Tatiana: Diana Vishneva
Olga: Isabella Boylston
Lensky: Jared Matthews
Prince Gremin: James Whiteside


同じ演目でも演技や役作りがそれぞれ異なるので、キャストが違うと全く違ったバレエになりますね。
振付やストーリーさえ違うように見えて、興味深い。ある意味面白かった。

1幕、タチアナが最初に登場した時に、垢抜けない田舎娘の雰囲気がほしいんだけど
(3幕との対比で)
ヴィシニョーワには、地味な文学少女の風情があまり感じられず。
シャイな演技も悪くはなかったけど、オーラがどうしても隠せなくて
オルガ役ボイルストンよりも目立って見えてしまう。

ゴメスは予想通り原作のイメージとは違う役作り。イヤな男キャラで来た!
演技は、最初から最後まで濃い。
カッコいい衣装だけど、Davidやコリー君と比べると見栄えは今ひとつ。
ゴメスが一番似合うのは、上半身裸かランニング&黒タイツだと思うので。(褒めてます)
遊びつくし世間に飽き飽きしたオネーギンの厭世的はよく出てました。

レンスキー役は、マシューズ。昨年よりもさらに良くなっていた!
明るく健康的なカップルで、ボイルストンはターンの手のつけ方が好みでないけど
伸びやかで自然体、キャラに合った溌剌とした踊り。

オネーギンに恋焦がれ寝つけないタチアナ。
乳母とのやりとりでは、コミカルな演技や笑いはナシ。
ヴィシニョーワを美しく見せるサポート力は世界一のゴメス。
鏡のPDDでは、汗だくでまさに黒子のよう。
ただこのシーンはタチアナの一方的な幻想なので、笑顔が見たい。
夢の中の憧れのオネーギン というカンジがあまりしなかったかな。
ヴィシニョーワも、初恋にしては色っぽい?
超難易度のリフトの連続でも、流れるようで一挙一動が美しく
疾走感とクランコのダイナミズムが感じられたのは素晴らしかったです。
が、PDDの後、鏡に映ったダンサーが無表情(怒)恋心いっぱいの表情を見せないと~
土曜の鏡の中のダンサーの表情が素晴らしかっただけに、比べてしまった。
あと鏡に戻るオネーギンの振りが、やたらオーバー(笑)

2幕、無残に恋心を打ち砕かれるタチアナ。
原作では「君を妹のように思っているが私は結婚に向かない男。」とやんわり拒絶するけど
バレエではドラマチックに見せるため、手紙を破く演出で
ゴメス演じるオネーギンは憎々しく、観ていて腹が立つほど意地悪。
手紙を取り出すところから、馬鹿にしたような笑いで
返される手紙を受け取らないタチアナを怒る表情も怖いし
追いうちをかけるようビリビリに手紙を破く。

オネーギンは、気まずさからレンスキーにヤツ当たりするんだけど
グレーミン公爵とタチアナが踊り始めたのを見て、モヤモヤした気分になり
タチアナの困った表情見たさもあって、オルガと踊りまくったのかなぁ。
妹とイチャつかれて、恐る恐る近づくタチアナ(風が舞うようなターン!)
机をバンって叩かれ拒否されてかわいそう。

再びオルガを横から奪うオネーギン、笑顔で楽しそうに踊る。
レンスキーが頭にくるのも無理はない。
恋人同士だった二人が、オネーギンの行為によって壊されていく悲劇。
純真なレンスキーの怒りが、決闘を申し込むほどに。
オネーギンのはたかれっぷりが、これまたオーバーでよろけて床に倒れるほど。
ちなみに、当時の身分ある男性の間で決闘は珍しいことではなかったよう。

マントを着て決闘に赴くオネーギン、自分のとった行為を悔いて銃を手にする。
決闘前レンスキーのソロ、マシューズの踊りが良かった。
オネーギンとの友情、オルガとの明るい未来、傷つけられたプライド、この世への未練など
いろんな感情が交差するような感情表現。
決闘でレンスキーが倒れて、オルガは号泣。
タチアナは嘆くよりも、責めるようにオネーギンを見つめる。

3幕、レンスキーを失った後どれだけ苦しんだのか と思うほどオネーギンの憔悴ぶり。
再会したタチアナが見違えるほど、美しく輝いていて
自分の人生も輝きが取り戻せるかも と思ったのかなー

タチアナには公爵夫人の風格が漂い、立場が逆転したかのような2人。
グルーミン公爵役は、昨年ボストンバレエから移籍してきたJames Whiteside
夫妻のパドドゥ、裕福そうだけどタチアナは幸せなんだろうか。

最終場、オネーギンからの手紙を持ってうろたえるタチアナ。
オネーギンは紗幕の向こう側で行ったり来たり、舞台を大きく使うゴメス。
タチアナに情けないほど激しく取りすがる。
思い出の中で自分を傷つけた男が、振り切っても迫ってくる。
ヴィシニョーワは、タチアナ と言うよりもアンナ・カレー二ナっぽく見えたけど
テクニック面では素晴らしかった二人。軽やかで美しく(綺麗すぎたかも)
背中のしなり、高速ターン、音楽とのシンクロ、難しそうなリフトを易々と決めて
見事なパートナーシップで完璧でした!
表現面は私好みではなかったけど(ジゼルは好み)
テクニック面ではダントツだった二人。来年の「マノン」も、かなり期待できそう
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ヴィシニョーワは、7月ボリショイの「オネーギン」でもゲスト出演するよう。
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3公演鑑賞後、しばらく頭の中でオネーギンの演奏がとまらなかった。。。
サンフランシスコバレエのYuri Possokhov振付「フランチェスカ・ダ・リミニ」や
来年ノイマイヤーが振付けるハンブルク・バレエ「タチアナ」も見てみたい。

☆カーテンコールは、こちらこちら
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テーマ : バレエ - ジャンル : 学問・文化・芸術

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