Red Giselle (Eifman Ballet)

2年振りにEifman Ballet of St. Petersburgを鑑賞しにCity Centerへ。
Eifman
1週目はRed Giselle、90年代の作品ですが、2015年新演出されたそう。

実在のバレリーナ、Olga Spessivtseva(1895-1991)に捧げられた作品。
20世紀初頭動乱期に活躍したマリインスキー出身オルガ・スペシフツェワ
あまりに上手にGiselleを踊ったために、Giselleは知られるようになったとか。
1913年から1924年まで、マリインスキー劇場で踊り
1924年から1932年までパリ・オペラ座に参加。
1939年アメリカに移り、1943年から1963年まで精神病院で過ごす。
回復後、1967年トルストイの四女アレクサンドラが創設したロシア人集団居住区に移る。

Ballerina: Maria Abashova
Commissar: Sergey Volobuev
Teacher: Oleg Markov
Partner: Oleg Gabyshev
Friend: Dmitry Fisher


1幕、クラスレッスン。白い衣装でクラシックな振付で踊るダンサー達が美しい☆
教師役オレグ・マルコフもエレガント。
厳格な教師の目にとまったバレリーナとのPdd

Red Giselle1

金箔(虚飾)で輝く劇場で、舞台デビューするバレリーナ。

Red Giselle5

ゴールドの華やかなチュチュで踊る(衣装替え早っ)
舞台の向こうに客席を作る演出が、ダンサーの視点を感じられて◎
カーテンコールで、バレリーナが客席から喝采を浴びる中
新しい政権を代表する秘密警察の共産党員が現れる。
昔、KGBはチェーカーと呼ばれ
秘密警察員のことを、チェキストと呼んでいたそうです。

Red Giselle8

登場しただけで、不気味なオーラが漂う威圧的な共産党員役セルゲイ・ヴォロブエフ。
バレリーナを革命に沸く民衆の祭典に連れて行く。

Red Giselle2
ここの群舞がカッコいい!さっきまでのクラシックとは全く違う現代的な振付で
革命の熱気が伝わってきます。

Red Giselle7

取り込まれたバレリーナは
彼のため、共産党のために赤い衣装で踊る。

バレエ教師の苦悩のソロの間
また衣装替えしたバレリーナと共産党員の凄まじいPdd
身体能力とコントロール力を見せつける。
Red Giselle10
アクロバティックなリフトとバランスの連続技が官能的。
不協和音な音楽が、不安と混沌に身をまかせるよう。

レッスンに戻ったバレリーナと教師のPdd
が、劇場内にも共産党勢力が押し寄せてきて、絶望するバレエ教師。
新しい体制に従わなければならず、共産党に洗脳されていく。。。
Red Giselle11

再び白いロングドレスに衣装替え(5着目!)
壮絶なPdd、凄いポジションでもポーズが美しい~
Red Giselle11
超絶技巧なリフト、複雑で重苦しい心情を雄弁に語る振付。

革命が進み、背景には国外逃亡する人達が坂道を上がっていく様子が描かれる。
Red Giselle12

葛藤の末、ついにバレリーナも祖国を後にして西側へ亡命する。

2幕、パリ・オペラ座。
現代風なレオタードで、ビゼーの曲でバレエを踊るダンサー達。
ロシアとは違うスタイルで、バレリーナが新天地に来たことが感じられる。
最初は戸惑うも、新しいスタイルを取りこみ
バレリーナのパートナーになったダンサーと成功を収める。
パートナー(同性愛者)に恋心を抱くが、思いは報われず。。。
実在のパートナーは、セルジュ・リファールだったよう。

Red Giselle3

片思い、異文化の中での孤独、祖国への望郷
寂しさを紛らすため、ダンスホールに飛び込むバレリーナ。
このチャールストンの衣装も素敵☆
Red Giselle16

背後を、黒い皮のコートを着た共産党員が横切る。 コワッ
過去の幻影が、 どこまでも彼女を追いかけてきて
精神が病んでいく。。。
Red Giselle13
鮮やかな赤い布をまとうバレリーナ
ロダンでもあったけど、エイフマンは布を使う演出がお好き?

バレリーナが得意とする演目ジゼルが、劇中劇で演じられ
ジゼルと現実世界の狂気が重なっていく演出がよくできてます。
Red Giselle14

衣装や振付は、オリジナルのジゼルに似てるけど
アルブレヒト演じるパートナーと従者ウィルフリート役が、現実では恋仲。
休憩中の2人を見て、叶わむ想いに苦しむバレリーナ役
マリア・アバショーヴァの演技力に、胸が締め付けられる。
シュニトケの夏の夜の夢、ではなくて
狂乱のジゼル(バレリーナ)の心理描写にピッタリで、聴覚的にも効果的。
バレリーナは、白い服を着たナースに連れられて行く。

ジゼルのお墓参りに来たアルブレヒトと重なるように
パートナーがバレリーナの精神病院に訪れてパ・ド・ドゥ
音楽はフランチェスカ・ダ・リミニ
Red Giselle4

白いベールを被ったウィリのような女性群舞の衣裳は
両方の袖が繋がっていて、縛られていることを意味しているよう?
Red Giselle15

ジゼルのラストシーンのように、ウィリたちが鐘の音で消え去る。
バレリーナは、鏡の向こう側の世界(狂気)に行ってしまう。。。
Red Giselle6
最終場への持っていき方も、見事です。

全幕通して踊り続けるバレリーナ役は、過酷!
革命の中、翻弄されたオルガ・スペシフツェワの人生を
鬼気迫る表現で蘇らせたマリア・アバショーヴァの踊りが素晴らしかった。
Eifman2

選曲センスも好み。場面展開や衣装替えも多く
クラシックからモダン、チャールストン と
違うスタイルのダンスを踊りこなす群舞の魅せ場もたっぷり。
ダンサー達の高度なテクニッ クを堪能しました。

Eifman3
カーテンコールでは、群舞のダンサー達が衣装を着替えてて
エイフマン氏の美意識を感じました。

NY Timesのレビュー
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テーマ : バレエ - ジャンル : 学問・文化・芸術

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