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Romeo and Juliet@MET

ABT最終週、ロミオとジュリエットを観てきました。

シェイクスピアの戯曲ロミオとジュリエットを基にしたバレエで
仲たがいしている二家族の息子と娘の
運命のいたずら(神父の要領の悪さ?)による悲恋物語。
音楽はSergei Prokofiev

1938年チェコスロヴァキアのブルノ国立劇場でヴァンヤ・プソタ振付により初演。
その後、いろんな振付家のバージョンが上演されましたが
ケネス・マクミラン振付は、1965年英国ロイヤルバレエで初演。
ABT初演は1985年。

2年前、アレッサンドラ・フェリ引退公演のパートナーとして共演し
今季からABTのプリンシパルとなったロベルト・ボッレがお目当てです。
高い芸術性と麗しい容姿から、ギリシャ彫刻 に例えられ
エレガントな表現力とテクニックで、イタリアでは絶大な人気を誇るそう。

相手役ジュリエットは、最初ジュリー・ケントが予定されていましたが
産休のため今季お休みで(先月Josephineちゃんを出産されたそう)
イリーナになり、ファンにとっては嬉しい変更。

Rome; Roberto Bolle
Juliet: Irina Dvorovenko
Mercutio: Craig Salstein
Benvolio: Jared Matthews
Tybalt: Gennadi Saveliev
Paris: Alexandre Hammoudi


一幕 中世イタリアの都市ヴェローナ。
モンタギュー家ロミオと悪友マキューシオ、ベンヴォーリオが市場でつるんでいると
宿敵キャピレット家のティボルトがやって来て、小競り合いが始まる。
乱闘になり、騒ぎを聞きつけてやってきたヴェローナ大公エスカラスが静める。
犠牲になった男たちを並べて、全員の剣を没収し
二度と争いを起こしてはならない と命令する。

爽やかなロミオ役ボッレ登場で、湧き上がる観客。
この場面では、後のために?まだ余力を残して踊っていたようなカンジ。
マキューシオ役は、コミカルな演技が上手いサルステイン
ベンボリーノ役はイケ面マシューズで、悪ガキ3人組は楽しそう。
ティボルト役はサヴァリエフ。悪役顔でないせいかお髭メイクです。
娼婦や街の人々、喧騒が生き生きと伝わるシーンで
男性陣の剣さばきも見所です。

キャピレット家の部屋で、乳母を相手にはしゃぐジュリエット。
ジュリエット役には、美人すぎるかな?と思ってたけど
10代を演じるイリーナはちょっとover acting っぽいものの、かわいい!
キャピレット公はズルビン。まだ若いと思うんだけど、老けメイクで違和感がありません。
キャピレット夫人はブーン。ジゼルのバチルド役同様、こういう役が似合う。
婚約者パリスは、最近目をつけてるハムーディ
カッコいいのに、ジュリエットに嫌われるのが気の毒。

ロミオ、マキューシオ、ベンヴォーリオは、仮面をつけてキャピレット家の舞踏会へ。
3馬鹿トリオの踊り(そんな名前ではありませんが)では
エレガントなボッレは、二人ほどはじけてなかったような。

舞踏会での運命の出会い。
ロミオはロザラインを口説いていたくせに
パリスと踊るジュリエットを見た途端、目が離せなくなる。
見詰め合う二人。何が起きたのかを確実に伝えていました。
ジュリエットは人形で遊んでいたのが、恋する少女に変わっていき
ロミオは喜びを全身に表して踊ります。

そして、誰もいなくなった広間で偲び合う二人。
クライマックスのところに、両親、ティボルト、パリスがやって来て
仮面をはずすロミオ。勢いよく投げ捨てました。
ティボルトに見咎められてからも、ジュリエットに夢中のロミオ。
キャピレット家を後にする時も、ウキウキした恋する若者でした。

そして、有名なバルコニーのパ・ド・ドゥ(チュー付き)。
月明かりの下、佇むイリーナが絵画のように美しい~
ボッレが現れて、雲を掴むように手を伸ばす。降りてきて としぐさで示す。
もどかしく階段を駆け下りていくジュリエット。
初恋のことなどとっくに忘れてしまった私でさえ、胸がきゅんとなります。

恋の陶酔感で舞い上がる喜びに溢れる踊り。
スピード感たっぷりで軸が全くぶれないボッレのターンは
ただ技術を見せるだけではなく
ロミオの熱い恋心を上手く表現していました。

アイスダンスのようなローテーションリフトをしたり
肩の上に乗せたり、逆さまにしたり と
マクラミンの振付はアクロバティックなリフトが見所ですが、サポートが上手!
ジュリエットが安心して、恋の高揚感に身を任せられるよう。
背中を反らせて、次々と美しいポーズをきめていたイリーナと
この役をすっかり自分のものにしているボッレ。
二人のケミストリーも合った文句なしのPDDで
最初から最後まで息がつけないほど素晴らしかった。

二幕、再びヴェローナの広場。
マキューショオ、ベンヴォーリオや娼婦たちと戯れるも
一人だけ気持ちが乗らないロミオ。
結婚するカップルが通りかかり、自分の結婚への夢を膨らませます。

1幕の舞踏会に続いて、2幕の広場でも拍手を沢山もらっていたサルステイン。
マンドリンを遠くに投げすぎて、床に落としてしまったのもご愛嬌。
器用なテクニックとユーモラスな演技で、楽しませてくれました。

ジュリエットの乳母が手紙を持ってやって来ると、3馬鹿トリオがからかう。、
手紙を受け取って読むと、ジュリエットが結婚に同意したことを知り
喜びを爆発させるロミオ。

教会で、電撃極秘婚を果たし
ロレンス神父は、二人の結婚が両家の争いに終止符を打つことを期待する。
神父役のフレデリック・フランクリンさんは、この日の2日後が95歳のお誕生日で
客席から暖かい拍手で迎えられました。

新妻ジュリエットと別れた帰り、市場で悪友マキューシオが飽きずにティボルトと喧嘩を始め
事の成り行きに呆然と立ち尽くすロミオ。
親友の死にブチ切れたロミオは、ティボルトを刺してしまい
その結果、街から追放されることに。

テンションの高さを感じる剣のシーン。
ひょうきんだったサルステインの死にっぷり。
躊躇なく刺したロミオの剣に吹っ飛んだサヴェリエフ。
泣き崩れるブーン。許しを請うボッレ。
台詞が無いとはいえ、演劇としても見応え充分です。

三幕 逃亡を前に最初で最後の一夜を過ごした二人。
切ない別れの情感たっぷりな寝室のパ・ド・ドゥ。
力なく身を預けるジュリエットで、二人の心の叫びをただ聞くのみ。
後ろ髪を引かれながら立ち去るロミオ。
残されたジュリエットの姿が、痛々しい。

この後、両親にパリスとの結婚を強制され
(両親はロミオと極秘婚している事実を知らない)
パリスとイヤイヤ踊るジュリエットは、助けを求めにロレンス神父のもとへ。

ジュリエットをロミオに添わせるべく、薬を使った計略を立てるロレンス神父。
仮死状態になる薬を受け取り、家に戻ると
再び両親、パリス、乳母に囲まれるジュリエット。
パリスとの結婚を承諾した後、薬を飲みほします。

ジュリエットの御葬式。
婚約者パリスは、ジュリエットのそばを離れない。
そこへ、ジュリエットが死んだと思い込んでるロミオが駆け込んできて
パリスは呆気なくロミオに殺されてしまう。(パリスかわいそう。。。)

墓場のPDD。ジュリエットを見ても、現実を受け入れられないロミオ。
死体(とロミオは思ってる)となったジュリエットを抱えて
持ち上げたり抱きしめるロミオ。嘆きや絶望が見事に表現されていたボッレ。
イリーナの死体っぷりも素晴らしかった。
再びジュリエットをそっと優しく寝台に寝かせ、服毒自殺するロミオ。

仮死から目覚めたジュリエットは、パリスの死体に驚き、ティボルトの遺体に気付き
ロミオを見つけても最初は死んでいるとわからず、会えた喜びで微笑み
死を確信して絶叫した後、ロミオの短剣で胸を刺して
今度は本当に死んでしまいます。。。(涙)

一度倒れて、這いずりながら寝台まで行き
少しでもロミオに触れようと腕を伸ばしつつも届かず、切ない。
最後に息絶えた時のポーズも美しく、涙を誘いました。

Romeo and Juliet
豪華な舞台セット&衣装と効果的な照明
臨場感に溢れるプロコフィエフの旋律にのせて、生と死のドラマティックな舞台でした。


秋シーズンは、10/7-10@Avery Fisher Hallです。
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テーマ : バレエ - ジャンル : 学問・文化・芸術

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